menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第8回 継続する会社にするための、採用方法

継続経営 百話百行

前回は、アメリカの素晴らしい会社をリポートしました。

アメリカの会社も、日本の会社でも、素晴らしい会社は、継続する会社で、それは、人が辞めない傾向にあるようです。では、辞めない会社にするにはどうすると良いか?たくさんの会社を見させていただき共通していたのは、「採用」。ある経営者が言っていた言葉が印象的でした。それは、「採用の失敗は教育では取り戻せない」

では、採用でのポイントは何でしょうか?

「採用は、能力ありなしではなく、合うか合わないかである」

能力で、この人優秀、この人優秀でないと見ていると、会社は東京に行こうとしているのに、実は本人は大阪に行きたかった。ということになってしまい、これでは、いつかその違いに気づいた時に、離れるしかなくなってしまいます。最も長く一緒に仲間として仕事をするには、能力ではなく、「合うか、合わないか」が、ポイントなのです。

では、何を合うか合わないかというと

2つのポイントがあります。

1つ目は、「その会社らしさ」だと考えます。

 

この人は、うちらしさに合うか?

ということは、まず、「うちらしさ」の定義を決めないといけません。

アメリカのPatagoniaでは、「社員どの人を見てもPatagoniaの人ってわかりますよ。うちらしい人が働いているんです。」と、幹部の人が語ってくれました。

このポイントがわかりやすい定義の仕方だと思うのです

【どこからもうちらしい人はどんな人ですか?】これを数多くだし、定義するとよいです。

 ・服装
 ・見た目
 ・言葉遣い などなど

2つ目は「大切にしたい事は何か?」

 

会社において、最も大切にしていることは何でしょうか?一言で言うとどんなことがあるのでしょうか?緻密さ?やさしさ?

Patagoniaは、「地球を守る」ということを言っていました。

ディズニーは、「SCSE」と大切の順番を定義し、一番目は、安全(Safety)で、一般的な会社では、「お客様を大切に」は、一番に来ますが、それに準ずるもの礼儀(Courtesy)が、ディズニーでは2番めです。そして、3番目が、ショー(Show)、4番目が、効率(Efficiency)。

サウスウエスト航空は「ユーモア」と「優しさ」だそうです。

そして、この大切にしているものと合うか合わないかを面接するわけです。

Patagoniaでは、必ず面接で質問するそうです。「何か地球を守ることはしていますか?」と。

サウスウエスト航空は、有名な話では、パイロットの採用試験で、「ズボンを脱いで、下半身パンツ一枚になってください」と面接官が言うそうです。そこで、笑いながら素直にズボンを脱ぐ人は採用し、なぜそんなことをしないといけないのか?という人は採用しないそうです。(現在この方法はしていないそうです)

そして、サービス業なので、相手を大切にする優しさが大切と、社内ルールでは、すべての人を家族だと思って判断する。48時間以内に必ず返事をするなど言われた相手が、お客様であれ、社員であれ、その人が家族だったらどの対応しますかで、考えなさいという社内カルチャーがあるそうです。

 keizoku81.jpg

写真:サウスウエスト航空本社 取材時 筆者撮影

採用試験の時には、人気企業のためかなりの数試験に来るそうなのですが、待っている会場で、スタッフが、言うのだそうです「皆さん緊張しているので、どなたか、前に出て、みんなを笑わかせてくれませんか?」と。「あー、そこで、前に出てきた人を採用するのですね?」というと違うというのです。「前に出てくる人も緊張してますから、あまり話は面白くありません。しかし、聞いている人の中に、その面白く無い話を、微笑んで聞いている人がいるんです。その人を、見つけて採用します」と。「優しい」人を見つける良い方法だと思いました。

keizoku82.jpg

写真:サウスウエスト航空本社通路 壁の写真が面白い 筆者撮影

 

採用の準備で必要なことは、

【最も大切にしていることは何ですか?】
【それを持っている人を探す試験、質問を考える】

を、準備しておくのが大切です。

他にも。面接の方法として前職の船井総研では、「素頭」(元々の頭能力)が大切と昔の面接試験では、「傘の使い方を20個言ってください」と、素頭力(臨機応変力)を探していました。
 

ある飲食業では、「相手の思いやり」が大切だから、面接の待合室で「お茶とお菓子を用意し、皆さん緊張しているので喉が渇くから、飲み物を飲みます。その時に、周りの人に飲みますか?と、一言声をかけれる人を採用する」と、教えてもらってことがあります。
 

日本のコールドストーンクリマリーさんでは、チームワークが大切と、「長い時間をかけて、10人程度のチームを作り、課題を出し、チームでやってもらい、その中で、チーム力がある人を探し採用している」と、一度採用試験に参加させてもらいましたが、すごい納得の面白さでした。


keizoku83.jpg

写真:コールドストーンさん 採用風景 筆者撮影

いろんな会社で、いろんな採用の仕方があるようです。大切なのことは何かというと「やり方の前に、あり方」であり、

前述したように 

1,  うちらしいとは、何か?

2,  最も大切にしていることは何か?

3, 1、2を発見する方法は何か?

人が、人の能力の良し悪しに判断することは、もしかするとできないのかもしれません。それを追求すると、後々別れることになるのかもしれないです。能力も大切ですが、能力よりも「合うか、合わないか?」ここに着目し、面接の準備をして、採用する、ここに継続する会社の根本が隠されている気がします。

第7回 続・どうしたら、変わり続けられるのか? ~企業訪問先で得た継続のヒント2~前のページ

第9回 継続する会社にするための、辞めない工夫次のページ

関連セミナー・商品

  1. 経営に活かす「リーダーの言葉」

    音声・映像

    経営に活かす「リーダーの言葉」

  2. 「リーダーの名言講話集」

    音声・映像

    「リーダーの名言講話集」

  3. 飛躍するASEANに未来を見るCD・ネット配信講座

    音声・映像

    飛躍するASEANに未来を見るCD・ネット配信講座

関連記事

  1. 第42回 「楽しい経営をする」

  2. 第53回 『オーストラリア、シドニー・メルボルンで見たこれからの働き方』

  3. 第40回 「寄付つきビジネスが盛ん!?」

最新の経営コラム

  1. フランスのド・ゴールは嫌われ者のリーダーシップを体現した「決断王者」である

  2. 第150回『日野晃武道語録 人生の達人になる!』(著:日野 晃)

  3. 第146話 銀行がチェックする取扱注意の勘定科目

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第280号 3兆5,411億円
  2. キーワード

    第42回 米年末商戦
  3. 教養

    2013年1月号
  4. 健康

    第87回 裾花峡温泉(長野県) 善光寺参りのあとに訪れたい長野市内の名泉
  5. 戦略・戦術

    第51回 アメリカは、キャッシュを生むのが上手、日本はお金にならない商売が上手!...
keyboard_arrow_up