まだ顕在化していないブームの兆し、新たに生まれる新常識。新しい価値観をどんどん取り入れていくことができるのが若者たち。若者たちの中でも、トレンドを握り消費を動かすパワーを秘めた女性たちの“インサイト”に注目すると、新しいヒットを創るヒントが見えてくる!
最近では学校でもSDGs教育が取り入れられるようになり、若い世代でSDGsの一環としての「サステナブル消費」への関心が高まっていると言われています。
「サステナブル」は「持続可能な」を意味する言葉。商品を購入するときに、地球環境に配慮してつくられた商品を選択したり、リサイクルできる商品を購入したり、長く繰り返し使える商品を最低限だけ購入したりといった行動が「サステナブル消費」と呼ばれています。
最近では、自ら積極的にサステナビリティについて情報収集・勉強をして意見を発信し、サステナブルな消費行動を積極的に選択するという若い女性も多くなってきました。
その一方で、友人同士のコミュニケーションの間で、マウントの取り合いになったりするこがあったりして、少し疲れてきている人もいるようです。
※マウントをとる・・・相手よりも自分の方が優位であることを示そうとする行為のこと。「マウンティング」も同義。
「たまたまペットボトルを飲んでいたら『まだペットボトルなんか使ってるの?』と非難された(20代後半/神奈川県)」
「ノンシリコンシャンプーを使ってないなんてありえない、的なことを言われた
(30代前半/神奈川県)」
「紙のノートでメモを取っていたら『スマホがあるのになぜ?紙なんて古いよ』と言われてしまった(20代後半/愛知県)」
「生理用ナプキンを使っている話をしたら、『環境に悪いのにそんなの使ってるの?自分はカップを使っている』と言われた。言い方がとても感じ悪かった(30代前半/東京都)」
「割り箸使ってたら、マイ箸にしないのー?海外では〜と海外の話を延々とされた
(20代後半/大阪府)」
「コンビニで袋を買ったときに、もったいないと言われた。再利用して使うのに
(20代前半/東京都)」
そんな友人同士での日常のやり取りに疲弊するだけではなく、サステナブル消費が急速にブーム化していく環境の中で、押し付けられるような窮屈さを感じる場面があって「サステナブル疲れ」していく人も増えてきているといいます。
「ストローは絶対プラスチックの方が、飲み物がおいしく感じられると思う。ほぼ強制的に紙製にされるのがちょっと嫌です…気軽に選択できるくらいの余地は残しておいてほしい
(20代前半/兵庫県)」
学校でも必須科目としてサステナブルが取り上げられ、学びの機会も多かった彼女たちは、企業の発売するサステナブル商品に対しても、本当に本質的なサステナブルにつながるのだろうかと冷静な目で見ています。「企業が売り上げのためのマーケティングとしてサステナブルを利用しているだけの、表面的なものになっていないか?」と疑問を抱くこともあります。
サステナブルが謳われた新商品を、次々と購入してSNSに投稿し続ける同世代に対しては、自分の「キャラづくり」のための行動なのでは?という疑問を抱くこともあります(限りある資源を有効活用する、というサステナブル消費と逆の行動のようにも見えるからです)。
このように、サステナブル消費に少し疲れてきていたり、サステナブル消費ブームを一歩引いた目で見はじめたりしている側面もある彼女たちですが、刺さっているサステナブル商品やキャンペーンもあります。
今、若い女性たちには、どんな商品が求められているのでしょうか。彼女たちの間で最近話題になり、ヒットした商品にはどんなものがあるのか、具体的な事例から見ていくことにしましょう。 次のページ