menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

人事・労務

第37話 人事制度の点検・見直し、始めていますか?(1)

賃金決定の定石

人事制度改革は、中小企業にも先延ばしできない重要課題

2024春季労使交渉が近づくにつれて、賃上げを巡る報道が活発になってきています。

 

連合は12月初旬に次の春季労使交渉では「5%以上」を目標としましたが、主要な産業別労働組合などからは、それを上回る要求も出てきています。

 

この背景には、組合員の処遇向上という直接的な目的だけでなく、ますますひっ迫する人手不足を解消し良質な人材を定着させるという、経営側とも共通する課題認識があるといえましょう。

 

政府と経営側(経団連や日本商工会議所)、労働側(連合)が参加する「未来をひらくパートナーシップ構築推進会議」では、価格転嫁がなかなか進まない中小企業の賃上げを視野に、大企業と中小企業の取引適正化がテーマに上がるなど、賃上げを取り巻く議論も広がりを見せています。

 

今後ますます熾烈化する人材獲得競争やベース賃金の上昇を背景に、中小企業においても賃金水準引上げへの取組みはもちろんのこと、様々な人事戦略をも駆使して人材の確保、育成、定着を急がなければなりません。もはや待ったなしの状況です。人事制度改革は、大企業のみならず、中小企業にも先延ばしできない重要課題となっています。

 

給料が世間並み以下だとしたら、社員が定着しないばかりか優秀な人材から辞めていってしまうかも知れませんから一定の水準以上は必要です。しかし、社員の獲得、定着を図るにはそれ以外の課題にもしっかり目を向けていかなければなりません。社員のモチベーションの阻害要因として最も深刻なものが、将来(処遇、キャリアや自己成長、福利厚生など)に対する不安です。人事制度として、“仕組化”“可視化”されたものを社員に示し、定着・育成につなげていくことが大切なのです。

 

会社として対応しなければならない人事制度上の課題・テーマは多岐にわたります。

 

労働時間管理、シニア社員の活用、女性の活躍推進、キャリアパス整備、研修機会の確保、社員の多様化への対応、健康経営、採用活動、etc.…。 ただし、その屋台骨を支える基本システムは「等級制度」「賃金制度」「評価制度」の3つに集約できます。とりわけ、人事制度全体の基礎を支え、組織マネジメントと密接にかかわるのが「等級制度」なのです。

次のページ

1

2

第36話 年末賞与の支給動向前のページ

第38話 人事制度の点検・見直し、始めていますか?(2)次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 賃金処遇と人事施策のやり方

    音声・映像

    賃金処遇と人事施策のやり方

  2. 緊急事態下での「賃金と処遇」

    音声・映像

    緊急事態下での「賃金と処遇」

  3. 役員報酬・賞与・退職金の正しい決め方

    音声・映像

    役員報酬・賞与・退職金の正しい決め方

関連記事

  1. 第45話 本格的な変化の時代 将来に備えた基礎固めを(2)

  2. 第33話 夏季休暇と計画年休

  3. 第50話 採用初任給の大幅な引上げにどう対処するか

最新の経営コラム

  1. 相談7:含み損のある土地があるのですが、別会社で買うのがいいか、個人で買うのがいいか、どちらでしょうか?

  2. 第9回 注意しても部下が変わらないのはなぜか? ~原因は人ではなく仕組みにある~

  3. 第146回 地味ながら世のクラウド化の追い風を受けて高成長を遂げる サイバーリンクス

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第143回 質問「地方にいながら情報を取るコツを教えてください」
  2. コミュニケーション

    第24回 一年のはじまりに発展や健勝を願うフレーズを添える
  3. 社員教育・営業

    第119回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方40「ホスピタリティと助け合...
  4. 税務・会計

    第44号 不正発見は簡単
  5. 相続

    第10回 含み損のある資産は、すべて整理しておきなさい!
keyboard_arrow_up