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戦略・戦術

第四十二話 国境の島の100年企業の取り組み

中小企業の「1位づくり」戦略

こんにちは!
1位づくり戦略コンサルタント 佐藤元相です。

国境の島 長崎県対馬市で「老舗100年企業の視察」と「地元企業との交流勉強会」を取り入れたあきない特訓道場の研修旅行を11月上旬におこないました。

なぜ対馬なのか?

対馬市は福岡から130km、韓国から50kmの人口29000人の国境の島です。

対馬の人口は減少しています。一方で観光客は急増しておりコロナ禍前には、30万人に到達したとも言われています。緊急事態宣言が発令されてから以降は観光に訪れる人が完全にストップしました。

 

対馬には100年を越える企業が5社あります。

業種は、銀行・菓子店・ホテル・醤油製造販売・酒造メーカーがあります。

小規模ながら自社独自の経営スタイルで戦争や災害、度重なる不況を乗り越えてきた企業です。

 

その苦境のまっただ中で、100年を越えた老舗企業の経営者がどのように考え商売に取り組んでいるのか?リアルな現場へ飛び込み、苦労や悩みを乗り越え取り組む姿に向き合いたいと考え企画しました。

 

今回、視察で訪問させていただいた企業は、伝統的な和菓子を提供している「渡辺菓子舗」です。当店は、対馬名物の加寿萬喜(かすまき)を主としたお土産用のお菓子を製造販売しています。

 

対馬名物・加寿萬喜(かすまき)は、対馬藩の藩主・対州公が参勤交代でお戻りになった際、その無事を祈って献上しようと考察され、今でもおめでたい席で欠かすことのできない伝統のお菓子です。

 

渡辺菓子舗の創業は1899年(明治32年)です。

渡辺社長は4代目です。

江戸時代に殿様に献上した当時の「かすまき」を作るためレシピを探し研究を始めました。昔ながらの製法でお菓子をつくっています。たとえば、ふくらし粉ではなく重曹をつかい、3日経つと皮と餡が馴染んで美味しいこと。後味がスッキリする甘さ。

お殿様に献上したものを今の時代にどうやって作るのか。

「それは、余分なものを入れないこと」と渡辺社長。

あんこは製造されたものを仕入れてつかうのではなく、自分たちで厳選した小豆からあんこをつくることにこだわっています。

殿様に献上するお菓子を作る。先祖から受け継いだ伝統的なモノづくりを探究し続ける。商品に対するブレのないものづくり考え方。目標がシンプルで分かりやすいように感じました。

 

渡辺社長は、「おいしいことはもちろんですが、買い物のお客さまには、店の中の音や香り、色合いや空間、接客をふくめて全てが私たちの商品です。大切な方へお土産として選ぶことを楽しんでいただけるよう店作りをめざしています」といいます。

 

しかし、今回のコロナ禍で当店の企業収益は大きく低下しました。

でも渡辺菓子舗はこれまで蓄積してきた内部留保を取り崩すことで事業を維持しており、さらに積極的な事業活動を行っていました。

 

先代が、終戦後、砂糖が買えなかった経験から、倉庫に砂糖の在庫を増やしたこと。砂糖はなくなることがある。緊急事態に備え「倉庫いっぱい砂糖があった」といいます。

現在は、地球温暖化で小豆の生産高が減少しており、仕入れ値がどんどん上がっています。いつ仕入れが止まるかもしれない。そんな危機感から倉庫を拡張するための工事に取りかかっていました。万が一に備え、小豆の在庫量を増やすといいます。

先代の経験を今に活かしていました。

 

時代の風に合わせて進む、暖簾は風に合わすしかない。

美味しいだけではなく、心に残ることをしないと生きていけない。

渡辺社長が工事中の工場を目でおいながら話してくれました。

最後に、渡辺菓子舗の軸は「殿様に献上するお菓子を作る」ことです。

激動の時代、多くの会社が周りに振り回されて自分が見えなくなっているように感じています。大切なのは会社の在り方です。しっかりとした軸を持つことだと私は信じています。先代から守られてきた伝統と経験を今に活かし、長期的な視点に立って物事を考え取り組む、それが老舗の在り方だと感じました。

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