薄野(すすきの)と言えばラーメンを思い出すが、寿司屋も負けずに多い。同じビルのワンフロアに2件、3件寿司店があってもおかしくない。北海道=寿司というイメージがあるからそうなるかはわからないが、この寿司店の多さには驚くばかりである。
今回は薄野の“鮨屋”を二店舗ほど紹介し、この二店舗から寿司屋の繁盛のカラクリを検証してみよう。
(北海道)
根室の秋刀魚、松前のシビ 100k弱、夏だけ獲れる噴火湾の穴子
鯖、鮗、毛蟹の味噌和え
こんな感じだ。これで、1万円台前半はコストパフォーマンスが抜群だ。
一つ星がついているので、鮨は極めておいしかったということだろうか?
(北海道)
営業時間を見て昼の営業をしていないことを確認して、次々と電話をする。
昼過ぎということもあり、ほとんどの店は電話には出ず、4件目くらいでミシュラン北海道の三ツ星に格付けされている『鮨田なべ』につながった。
三ツ星に格付けされているので遠慮がちに「19時以降であればいつでもいいのですが、ひとりでお席の用意はできますか?」と問いかけた。
札幌のふつうの寿司店であれば「すいません、満席でございます」という返答がかえってくるのが常だ。案の定「申し訳ございません。満席でございます」と言う返答がかえってきた。
しかし、この店は違っていた。
「17時30分スタートのお客様がいらっしゃいますので、おそらく19時から20時でお帰りになると思います。本日はその後の予約がございませんので、空き次第ご連絡させていただくのはいかがでしょうか?」
さすが“ミシュラン北海道”で4件しかない三ツ星レストラン。すばらしい店であることがこの時点でわかり、わくわくした。
料理はもちろん文句ない。いいものを吟味しているし、握りもすばらしい。
コースの最後ではデザートを二品出す。この点がミシュランの評価を得た点だったのかもしれない。
しかし、それだけではない。カウンターにはアジア系の観光客が5名くらいで座っていたが、その前で仕事をしている鮨職人は英語を流暢に話していた。
さらに驚くのは、寿司職人であるオーナーが店に立っていないことだ。
目の前で相手をしてくれた西崎さんが「ミシュランの審査員がきたときは私が対応しました」と言う。
その日まで、私は「鮨店はオーナーシェフの店、おやじがいる店でないと評価の高い店になることはない」と思っていた。しかし、その既成概念はあっさり翻った。とてもすばらしい出会いだった。
鮨処有馬
北海道札幌市中央区南五条西3 ラテンビル 1F
電話 011-552-5503
鮨 田なべ
北海道札幌市中央区南五条西3 ニューブルーナイルビル 2F
電話 011-520-2202