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72軒目 白熱する予約の取れない店

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり


神保町 傳
(東京都)
 
shikumi72_01.jpg 2013年は食べログのステマ騒ぎから始まった。
 それによって、拡大を続けていた食べログの投稿の勢いは落ちつき、消費者も過敏に反応しなくなったように感じている。
 しかし、その一方で人気のある店はますます白熱して、予約が困難になりつつある。
 半年前くらいには予約がいっぱいの店は多い。
 今回は、私のクライアントから予約の依頼が一番多い『神保町傳』を紹介しよう。
 おそらく、日本でも有数の予約のとれないレストランとなっている。
 
 私は、3年ほど前から食べログのレビュアに参加した。
 参加した理由はいろいろあるが、一番大きな点は、「名も知れない、がんばっている飲食店を応援できるのではないか」という思いがあったからだ。
 せっかく参入するのだから、どういう店が評価されているのか、どうしたらお客様から評価されるのかを研究し始めた。必要があれば、高級店でも複数回数訪問した。するとその店の“常連客”となり、オーナーと親しくなった。
 料理、サービス、店づくりなどの項目を掘り下げ、どのような運営が評価されているかを研究し、会員に情報提供するようにもした。
 そういうことをしていると、会員からレストランに同行して欲しいという依頼が増えた。
 私はこれに応じ、会員サービスとした。
 今回紹介の『傳』も同行の依頼がもちろん多く、二カ月に一度、会員と店舗を訪問している。
 
 
 『傳』は神保町の交差点からほど近い場所にあるが、一本路地に入るために、隠れ家的な雰囲気がある。店舗には小さなシールの表札がある。
 店舗の入口までのアプローチには「苔育てています」なる意味深なメッセージがある。
 
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 テーブルにつくとフランチャコルタが提供される。
 
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 もちろん、最初の料理――名物“フォアグラの最中”にぴったりだからだ。
 “フォアグラの最中”の中身は季節で変わるが、干し柿と燻りがっこの組み合わせが好きだ。
 
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 二皿目は季節によって変わるが2月~3月ころに提供される“ガメラ”は印象的だ。
 ガメラとは鼈の骨を煮出して乾かしたもので装飾された汁物だ。
 
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 続いては、名物の“傳タッキーフライドチキン”。手羽先に概ね米の詰め物をした料理である。印象的などこかで見慣れた箱に入れて出てくる。So Good!と言いたい。
 
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 ところでこちらのシェフ長谷川さんの料理は見た目が印象的だが、その見た目の印象を超えるおいしさがある。私の会員の和食の料理人の中には見た目でひいてしまう人がいるが、手間をかけた上に、計算されている料理の味は傑出している。
 
 
 その後にお作りが出る。
 お作りは独創的だ。時には海苔のソースで、時には絵の具のようなソースで提供される。
 写真には鰆の海苔ソースと20キロもあるバチ鮪の絵の具のソースをのせておく。
 
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 次に焼き物が多い。
 焼き物の次に出てくるのが、こちららしい料理だ。
 それが野菜サラダ。私は、「わかる人にわかるサラダ」と同行者に説明する一品。
 一見すると「ここでサラダ?」と思うかもしれないが、このサラダが凄い。
  『ミッシェルブラス』の野菜のガルグイユという料理があるが、あの料理のエッセンスがこのサラダに盛り込まれている。ドレッシングで食べるサラダというよりは、別々に調理した野菜をまとめた複雑味を楽しむ、料理屋ならではの一品だ。
 
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 そして、土鍋ご飯が続く。
 土鍋ご飯は、日本人の心を打つ。
 
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 デザートが出てきて多くの人は気づくだろう。入口の謎かけが。
 
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 人生いろいろ店もいろいろ。
 この店に行きたければ、大久保一彦ファンクラブにご入会いただくしかない。
 あしからず。
 

神保町 傳
東京都千代田区神田神保町2-2-32
電話 03-3222-3978(つながることはほとんどない)
→食べログ内ページ

 

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