menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

健康

第88回 河内温泉(静岡県) 露天派にもおすすめ! 日本一の総檜風呂

高橋一喜の『これぞ!"本物の温泉"』

■露天派? 内湯派?

 知人から伊豆のオススメの温泉を尋ねられた。私は、日本最大級の内湯をもつお気に入りの温泉宿を勧めたが、その知人は、どうも納得していない様子。「いまいちですか?」と聞くと、こんな答えが返ってきた。

「せっかく伊豆に行くなら、海が見える露天風呂に入りたいんですよね」。


 だが後日、知人からうれしいメールが届いた。「あのあと、教えてもらった旅館を調べてみたら、とてもよさそうだったので行ってきました。本当にいい温泉で感激しました!」。最初の私のプレゼンが悪かったのかもしれないが、結果的に、あの内湯のよさを理解してもらえて、素直にうれしかった。


 知り合いにオススメした温泉宿は、伊豆半島南部・下田市に湯けむりを上げる河内(こうち)温泉にある。河内温泉は、市内の蓮台寺温泉、白浜温泉、観音温泉、相玉温泉などと一緒に「下田温泉」にくくられることもあるが、それぞれ独自の源泉をもっている。


 河内温泉は、終点である伊豆急下田駅のひとつ手前、蓮台寺駅で下車する。

 3分ほど3分ほど歩くと、河内温泉の一軒宿「金谷旅館」がある。温泉街などはなく、周囲は静寂に包まれている。

■名物「千人風呂」

 緑に囲まれた2000坪の広大な敷地の中に、木造の立派な宿が建っている。創業は江戸末期。1929年(昭和4年)に建てられたという本館は、今も現役である。木のぬくもりあふれる館内は趣があり、昭和の時代にタイムスリップしたかのような気分になる。


 金谷旅館の名物は、「千人風呂」。日本一の規模を誇る総檜大浴場である。つまり、檜を使った湯船の中で、日本でいちばん大きいということだ。


 浴室に入ると、そこは体育館のような広々とした空間。浴舎全体が木造で、アーチ状になった天井の開放感がすばらしい。長さ15メートル、幅5メートルの湯船は、もちろん総檜づくり。まるでプールのような広さである。1000人はさすがに無理だが、100人は余裕で入れるだろう。


 ユニークなのは、浴槽の半分は普通の深さだが、もう半分は1メートルほどの深さがあること。泳ごうと思えば泳げなくもない。歩行浴(湯船の中を歩く運動)を楽しむ入浴客もいるという。


 やはり、木造の湯船は居心地がいい。石やタイルに比べて、木の温もりが肌にやさしいし、ほのかに漂う檜の香りにも癒される。


 現在のような総檜の大浴場になったのは、2002年のこと。それ以前は、コンクリートやタイルでつくられていたという。何度かにわたる大改修によって、今のようなすばらしい浴場が完成した。檜は、清掃の手間や張り替えによるコストなど、温泉経営にとっては負担が大きい素材である。そのリスクを背負って、総檜の浴場を実現した主人の心意気に拍手を送りたい。

■日本最大級の女湯

 「千人風呂」は混浴である。女性は、婦人脱衣室から出入りすることができる。私が入ったときは、女性の入浴客はいなかったが、とにかく広々としているので、暗くなる夜などは女性も入りやすいかもしれない。

「混浴は苦手」という女性は、女性専用大浴場「万葉の湯」に浸かることになる。実は、「万葉の湯」も日本一の浴場である。長さ11メートル、幅5メートルの同湯は、木造の女湯としては日本最大級だという。「千人風呂」よりひとまわり小さいが、泉温の異なる4つの浴槽が用意されており、雰囲気も「千人風呂」に負けていない。


 さらに、男女別の露天風呂や貸切家族風呂もあり、文句のつけようのない充実ぶりである。


 肝心の湯もすばらしい。泉質は、アルカリ性単純温泉。毎分300リットル湧出する透明湯は、刺激が少なく、まろやかである。泉温は55℃と高温だが、湯船が広いので、注ぎ口から離れるにつれて、ぬるくなっていく。自分の好みに合った場所を探すといいだろう。


 先の知人のメールは、こんな言葉で結ばれていた。「温泉といえば露天風呂だと思っていたのですが、内風呂もいいものですね」。

第87回 裾花峡温泉(長野県) 善光寺参りのあとに訪れたい長野市内の名泉前のページ

第89回 吹上温泉(北海道) 『北の国から』であの女優も浸かった野天風呂次のページ

関連記事

  1. 第97回 湯之元温泉(宮崎県) 日本屈指の炭酸泉に龍馬もびっくり!?

  2. 第43回 川渡温泉(宮城県) 「ワーケーション」をするなら湯治宿で

  3. 第38回 自宅風呂のススメ―自粛期間中は自宅で長湯を楽しもう!

最新の経営コラム

  1. フランスのド・ゴールは嫌われ者のリーダーシップを体現した「決断王者」である

  2. 第150回『日野晃武道語録 人生の達人になる!』(著:日野 晃)

  3. 第146話 銀行がチェックする取扱注意の勘定科目

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    交渉力を備えよ(39) 予算の裏付けのない妥協はない
  2. マネジメント

    第241回 「二項対立」の考え方
  3. マネジメント

    日本的組織管理(6) 人材の癖を活かす
  4. 税務・会計

    第53回 社員・役員の「不正リベート防止」3つの対策
  5. 社員教育・営業

    第34回 「自分の声の特徴を知る」
keyboard_arrow_up