現場力を高める
顧客のニーズを捉えるために、現場の従業者のスキルがポイントになります。担当者が顧客のニーズを捉えるために必要なことは、「能力」と「環境」と「動機」の3つです。この3つは、私がコンサルティング先の企業で、従業員のパフォーマンスを高めるために、いつも心がけているポイントです。
「能力」とは、顧客と会話し、会話し続けるスキルです。相手に関心を持ち、信頼関係を築くことのできる会話力です。もともと能力のある人もいますが、訓練が必要な人もいます。費用をかけてでも、能力を高めたほうが良いのです。
「環境」とは、会話を始め、会話を続けても良い環境です。従業員にとっても、顧客にとってもこの環境が必要です。そういった空間や雰囲気のある店舗づくりが必要です。こういった環境が整っていないと、顧客のニーズを捉えるチャンスがありません。
「動機」とは、従業員のやる気です。目的意識を持ち、顧客への関心を高めることです。上司から従業員に動機を与えることです。そして、顧客からのフィードバックが得られるようにすることです。そうすれば、従業員は自信を持ち、ますます顧客への関心を高めてくれます。
顧客ニーズを、どう活かすか
《リソースの余裕を作り》、《顧客ニーズを捉える》コトができるようになれば、ようやく業務そのものを改善していくことができます。
そうなのです、業務改善にも、ステップがあるのです。一足飛びに業務改善しようとしても、ただ、他社のマネをするだけに終わってしまいます。
「業務改善は誰のためか?」「業務改善は何のためか?」なのです。次回、第3話では、顧客ニーズをどのように活かしていくのかをお伝えしたい思います。
■横田尚哉(よこた ひさや)氏/ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役社長
GE(ゼネラル・エレクトリック)の改善手法をアレンジして10年間で総額1兆円分の公共事業の改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させた実績を持つ業界屈指のコンサルタント。「誰のため、何のため」をもとに、ダイナミックな問題解決手法を駆使し短期間で数億円から数十億円の工事費を浮かせる実績が評判を呼ぶ。氏の改善手法は業種や規模を問わず、コスト削減はもちろん、品質向上や業務効率化、新事業開発、企業変革にも応用でき、コンサルティングサービスは半年待ち。
著書に『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』(ディスカバー)、『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』(ディスカバー)、『ビジネススキル・イノベーション』(プレジデント)、 『第三世代の経営力』 (致知出版社)、『問題解決で面白いほど仕事がはかどる本』 (あさ出版)等多数。音声講話「儲かる会社をつくる技法」(日本経営合理化協会)、「業務の見える化」(日本経営合理化協会)も出講。
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