会社と保証人の資産を売れば債務はきれいになくなり清算できるというなら、事業をやめ廃業できるのだが、あいにく日本の中小企業の多くは間接金融で資金調達し純資産が少ないゆえにそれはかなわぬこととなる。
要するに1つの考えにとらわれない頭の柔らかさだ。
たとえばある会社で資金繰りが苦しくなりキャッシュがぎりぎり、あるいは足りなくなる。原因はどこにあるのか計数を見て経営者は考えるものだが、そもそもこの事業は黒字なのか赤字なのかということをたいていの経営者が計数から再認識する。黒字の事業をしていても債務が過大で返済金額が大きすぎるためキャッシュが足りなくなるということもあるからだ。
そして、このレベルの話なら 話はかんたんでどのように支払いを減らせばいいのか、それによってキャッシュフローはどうなるのかを考え、経営改善をすればいいことになる。
先日、ある業種の経営者の会合に参加させていただいたところ、同業他社が粗利益率が25%程度の業態であるにもかかわらず、その経営者は「うちは35%以上あるのですよ」と話してくれた。この業種では多くの会社で営業利益が極端に少なく、当然その営業利益(と減価償却)で返済する借入金がたくさんあればあるほど経営破たんの可能性が高くなる。ところがこの他社よりも10%も粗利益率が高い会社の営業利益率は当然に高く経営も安定している。
だからとりあえず再生のためのテクニックと時間稼ぎが必要になる。