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経済・株式・資産

第132回 経営とリスク(17)

あなたの会社と資産を守る一手

 利益を少なくして、納税額を減らす目的で仕入れをしようと考える経営者はいまだにいます。ただ、仕入をしてもそれが在庫で残っているのであれば利益に影響することはありません。今期に販売される、または今期の製造に使われて始めて原価となり利益に影響を与えることとなります。ところが、そのどちらにおいても、売上高、仕掛品としてそれに相当する資産が計上がされてしまい、利益を減らすことはかなわないことになるわけです。

 

 粗利益を計算する下記の式と、損益計算書の構成図をみれば、売上原価のみが損金として計上できるということがわかるかと思います。

 

 そこで、利益を調整するためには、売上原価、製造原価をわざと実際以上に増やして利益を減らすことを考える経営者もでてきます。もちろんこれは脱税ですが、製造業で考えれば製造に使われてもいない材料が使われたこととして、材料の棚卸がされることになるわけです。

 

 これらの仮装行為が税務調査でバレないだろうと考えるとしたらそれは間違いです。


 まず、いつも同じ製品を製造している業者なら、仮装行為によって粗利益率に変化が現れます。この変化をみて目星をつけそこから脱税の摘発に至るのはきわめて簡単です。


 それでも、オーダーメイドの製品を作る製造業者の場合は少し事情が違います。作るものによって粗利益率が変化するので、簡単にはいかないのです。
オーダーメイド製品の製造業者の場合は、決算前1ヵ月の数字をごまかすケースが多いものです。


 脱税する経営者は決算期直前に予想以上の利益がでるとわかってから行動に出るためその一定期間をフルチェツクするだけで化けの皮がはがれます。

 

 建設業者を例にとれば、決算月の仕入の請求書をとりよせ、工程表、工事部門の人員の動き、外注業者の出面をつけ合わせることで、ごまかしがバレます。
決算日に材料仕入れしている現場で、現場作業がされていないのに材料だけが消えていて、棚卸に計上されていないなどの矛盾があればそこから棚卸の偽装がバレていくのです。

 

 そして、重要なことはこれらの故意による仮装行為、隠蔽行為は国税通則法68条(注1)に書かれている重加算税の法的要件に該当してしまうということです。重加算税は過少申告加算税の税率に替えて35%という重い税率が課されます。


 間違っても、このような仮装・隠蔽行為に手を出さないことが重要です。

 

(注1)(重加算税)
国税通則法第六十八条 

第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。

参照: 法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針

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