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第15話 日本の政治家は中国の失敗経験から何を学ぶべきか?

中国経済の最新動向

 東日本大震災・福島原発事故という国難が続くなか、一国のリーダーである日本の総理大臣がまた代わることになる。外国から見れば異常事態だ。
 
日本の政治家たちは政治闘争に熱中し、国難克服より権力闘争のほうを優先させるというイメージを、外国の方々は皆持っている。このままでは日本の震災復興・景気回復は本当にできるかどうかが疑問視されるのも当然のことである。
 
 私は22年前の1989年10月に中国の北京から来日したのである。この22年間、日本の権力闘争が繰り返した結果、14人の総理大臣も誕生し、「首相量産国」まで言われる。それと同時に、日本経済もピークから凋落し、「失われた20年」を経験した。
 
次々の権力闘争に国のエネルギーが消耗され、経済がだめになったのは当然の結果と思う。
 
 実は、中国も権力闘争に熱中し、経済成長が挫折する失敗の経験がある。毛沢東時代の中国では、彭徳懐国防長官、黄克誠軍参謀長官ら「反党集団」の粛清(1959年)、劉少奇国家主席、鄧小平総書記ら現実主義的「実務派」の失脚(1967年)、文化大革命推進派「四人組」の逮捕(1976年)など、いずれも権力闘争の結果であり、例外なく経済のマイナス成長をもたらした。
 
 1959~78年、この20年間、日本は高度成長を実現し、世界第二位の経済大国に躍進した。一方、中国は権力闘争を繰り返し、経済は崩壊寸前まで落ちたのである。日中の格差は歴然である。
 
鄧小平時代に入っても、華国鋒共産党主席の失脚(1981年)、胡耀邦総書記の失脚(1986年)、趙紫陽総書記の失脚(1989年)など権力闘争が発生し、経済成長の一時的な挫折を経験していた。
 
当時の最高実力者鄧小平氏はこうした中国の失敗経験を総括し、「政治を中心に」という国の方針を抜本的に見直し、無意味な権力闘争をやめ、「経済成長最優先」への方針転換を決断した。1992年秋、共産党全国大会で「市場経済導入」の決議案が採択されると同時に、共産主義イデオロギーにこだわり権力闘争に熱中する「左派」たちが中央執行部から一掃され、朱鎔基前首相のような実務改革派は執行部メンバーに選ばれた。その後、中国は経済成長に専念し、急速な台頭は始まった。
 
1990年代以降の20年連続の高度成長はまさに江沢民政権(1990~2003)、胡錦濤政権(2003~)両長期安定政権のもとで実現されたものである。政治の安定と経済成長はいかに密接的な関係にあるかが中国の失敗経験と成功経験の両方から裏付けられる。
 
 確かに中国はいま人権問題、格差問題、腐敗問題など様々な問題を抱えている。しかし、政治は比較的に安定し、高成長も持続し、「坂の上の雲」の時代は暫く続くと思う。一方、日本は権力闘争にエネルギーが消耗され、経済沈没が続いている。30年、40年前の中国と日本の姿は、いまは逆転している。
 
権力闘争ばかりやれば、国が沈没する。日本の政治家たちは、中国の失敗経験と成功経験の両方を真剣学ぶべきではないだろうか。国の為に、国民の為に、一日も早く無意味な権力闘争をやめ、誠心誠意に震災復興・景気回復に全力投球すべきではないだろうか。

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