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後継者

第38回 オーナーとしての側面

欧米資産家に学ぶ二世教育

ファミリー企業には3つの側面があることを忘れてはならない。例えばあなたが創業社長だとしよう。するとあなたには、1)社長というビジネスの側面 2)主要株主というオーナーシップの側面 3)家族の一員(家長)としての側面、これら3つの役割があり、そのすべてに配慮する必要がある。どれを強調するかは、その人の考え方や性格、会社のライフサイクルによって変わってくる。

問題は1)、2)、3)それぞれの利害が必ずしも一致しないという点である。後継者を選ぶときのことを考えてみよう。1)のビジネスの側面からは、経営者としの素質がある三男が最も相応しい。が、長男もまた継ぐことを希望していれば、3)の家族の側面から考えれば問題を孕む。2)のオーナーシップの安定には、自社株の継承は過半数、できたら三分の二を後継社長に譲りたいところだが、3)の側面からすれば子どもには皆平等に遺したいところである。ファミリー企業の問題を考えるとき、絶えずこの3つの観点からの熟考が肝要である。

今回は2)のオーナーシップについて焦点をあててみたい。オーナーと書かれている名刺をみることは少ないが、実はオーナーの責任は極めて重い。相続などでオーナーが交代すると企業は大影響を受ける。だからきちんとしたプランニングをしてスムーズな代替わりを心がける必要がある。

創業時に創業者が資金を出すものの、種々の理由で株の名義は妻や子どもに分散することが多々ある。創業者はそれを「実質的には自分が支配している」、「安定株主、物言わぬサイレント株主」と思い込んで安心している。ところが何十年と経過後、分割を繰り返しかなりの資産になった段階で、ある日突然「離婚したいのであの株買い取ってください」と言われるかもしれないのである。それが実の子どもだとか、創業時の古参の株主社員だったりする場合もあろう。そのようなリスクへの対策はどうしたらいいのだろうか。

公開会社でなかろうと株主会議は、定期的に開き、株主の意向を聞いて(たとえ全員が身内でも)、またそれを会社の経営に反映させる仕組み作りをしておいた方がいい。風通しを良くし、不満にその都度対応していれば突然のビックリ宣言にあうことはないのではないだろうか?

 榊原節子

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