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後継者

第86回 演劇部に入る?

欧米資産家に学ぶ二世教育

以前「声の出し方」について解説したが、重要なのは何よりも説得力のある話し方、効果的な話し方であることは論を待たない。

日本の大学では「効果的なスピーチ」が科目として提供されることはあまり多くないかもしれないが、私が卒業した国際基督教大学ではたしか必修科目となっており、私は英語で単位を取得した。
3分とか10分とか限られた時間内に与えられたテーマでスピーチするのは母国語でも難しい。起承転結が必要だし、聴衆に合わせたトピックの選択、話し方が求められる。予め準備するスキル、その場で対応するスキル双方が必要とされる。大学で修得できなくても「デールカーネギー」始めこの種の研修を提供しているところは多い。ビジネスリーダーとしてのよいトレーニングになろう。
 
皆の前でスピーチをするということだけで、かなりのプレッシャーがかかる。聴衆をジャガイモと思えばいいなどのアドバイスはあるが、ともかく場慣れすることが大切だと思う。船井総研の創立者の故船井幸雄先生に講演の極意を伺ったことがあるが、「どんな人でも数をこなせば上手になるよ」と言われてしまった。
 
説得力のある効果的なスピーチには、どんな聴衆なのか、自分に何が期待されているのかを察知することが必要だし、見込み違いだった場合直ちに修正する、つまりその場での対応能力も問われよう。
 
私はイギリスで「日本の富裕層」についての講演をしたことがあるが、私の友人でもある主催者から厳しい注文をつけられた。「日本人で上手に英語でスピーチをした人を見たことがない。」と公言して憚らない彼は「ジェスチャー豊かに、ステージを歩き回って」から始まり私のパワーポイントのスライドにも「動きに乏しい」と注文をつけてきた。
 
イギリスの友人から「エリートの人たちはよく大学で演劇部に所属するのよ。そうして彼等は効果的な話し方を学ぶの」と聞いたことがある。たしかにシェークスピアの名セリフをマスターしていれば、気の利いたセルフが使えるし、声の出し方から言い回しまでスピーチでの応用範囲は広いだろう。
 
日本でも「人の心をつかむコツを」と考え「吉本興業で修行しなさい」という経営者が出てくるかもしれない。
 
 
                             ライフスタイルアドバイザー 榊原節子

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