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後継者

第44回 事業継承のツール 家族史、家族アルバム作成のお勧め

欧米資産家に学ぶ二世教育

事業継承、資産継承、いずれの場合でも譲る側と譲られる側の意思疎通がうまくいかないと失敗する。

だから、世界のファミリー企業のオーナー、資産家たちは「ファミリー総会、ファミリー評議会」などを設け、コミュニケーションや意思決定の制度化に心をくだく。キーワードはファミリーガバナンスである。経営、また資産運用を一族で行うにあたり、異なる意見を調整し、異なる利害調整のメカニズムがうまく機能することが肝要だからである。彼らは幼少時よりファミリーイベントや投資会議への参加などで鍛えられ、ファミリー企業内の叔父叔母、従兄弟たちと、複雑な家族関係にも対応する能力を具えていくのである。

 日本にはこのような家族会議、同族会議を定期的に行っているファミリー、一族はまだごく少ない。それを世界の趨勢だからといって、教科書的に「ファミリーガバナンスが大切です。まず家族総会を開きましょう。皆さんお集まりください」と提案してもまず無理であろう。

うまく家族が集まり、いざテーブルについたとしても一体何をどう話し合って良いかわからず、気まずい思いをするのが落ちである。あるいはいつものようにワンマンの父親が一方的にしゃべりまくり、「何のための話し合いの場か」という感じになってしまう。

 ごく自然な形で皆が集う場面をつくれないものだろうか? 一族で法事旅行を企画する、祖父母の誕生日に集まるついで、外部者を招き、研修会のようなものを開くことも一案である。そこで世界のファミリー企業オーナーたちの継承のやり方、家族としての意見集約の進め方などの話を聞く。

もっと手軽にできるのが、家族あるいは一族の家族史、家族アルバムを、米寿のようなイベントに向けて作るための共同作業を一族で行うことではないだろうか?

本人のみならず両親、先祖の写真を可能な限り集める。幼少時の写真や自分で書いた作文、当時の新聞記事、家族旅行の写真、思い出深い事件や出来事を書いて貰う、あるいはしゃべってもらい、それをプロの手で書きこんでもらってもいいだろう。ビデオという手だってある。

趣味や大好きな母の味のレシピー、プライベートな信条とか仕事に対する考えを記載するのも魅力的だ。社史や自分史編集の業者を使うのも一法である。

 5代以上続く家業の特徴は「語り伝えがしっかりしている」ことだそうだ。こうした共同作業を通じてなら、家族、一族同士が自然にコミュニケーションがとれよう。担当者を年少者達(孫世代)にすれば、上の世代に対しても思い切って自分なりの意見を言う訓練になり、異なる主張も組み入れてアイディアを発展させていく、そんな習慣をつけることにもなろう。

創業者がいかに偉大だったにせよ、其々の家族に焦点をあて、また各世代がそれなりの貢献をしない家は長続きしない。

 一家の母親(祖母)の果たす役割は大きく、家族の掲示板、家族メンバーの意見調整役を果たしている場合が多く、その母親がいなくなると家族は急速に求心力を失っていく。そうならないようしっかりしたコミュニケーションの場を制度化しておきたいものである。

ファイナンシャルアドバイザー

榊原節子 

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