menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第95回 『簡素メモ術』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす


メモ魔と云う人を、何人も知っている。

切手2から枚くらいの大きさのポストイット(付箋)を片手に、
電車の中で目についたこと、新聞にあった気の利いたフレーズ、ふと思いついたことなど、
次々と書き込んではノートに貼り付けている。
毎晩、寝る前に、それをパソコンに打ち込み、ファイルに落として保存しているそうだ。

参考までに、と、覗かせてもらった文庫本サイズのノート数ページにわたって、
小さな字で書き込まれたポストイットがくまなく貼ってある。
ざっと数えても、20~30枚はあるだろう。それを毎日整理している。

ここまでやれば、完璧だと大いにホメたいところだが、
彼はそのためにどれだけの時間とエネルギーを費やしているのだろうかと、
ふと、そちらの方が気になってしまう。

メモをとるのは、言うまでもなく大事なことだ。人間は忘れやすい動物なのだ。
まして、少し年齢を重ねてくると、、、みなまでいわぬが花というところだろう。

だが、メモをとることを自己目的化してはいけない。
ポストイット氏などは、いささかその兆候がないとはいえない。


私もメモはかなり頻繁にとる方だと思う。
だが、たいていは、そこいらにある簡単な紙に書き留めるだけだ。

実は、書き留めるだけで、メモの目的は、半分は達成したといえる。
書くことにより、けっこう記憶に止まるからだ。
ときどきは、ディテールを思い出せなくなるが、その場合は、メモした紙を探せばいい。

私の場合は、メモした小さな紙をクリアファイルなどにはさんで、しばらくはしまっておく。
そのファイルをいくつかひっくり返せば、たいていの場合は、目的のメモは発見できる仕組みだ。

こんな程度でも、メモはしばしば、ビジネスシーンにおいて、大いに役立つことがある。


気がついたことがあったら、その場でメモを取る習慣は身につけておいた方がよい。
だが、メモ整理のために、過剰な負担を感じたり、そのために特別な時間を費やすのは、
はっきり言ってしまえば、本末転倒だ。
文字通り、メモ(目も)あてられなくなる。


作家の向田邦子さんは、無類の美味しいもの好きで有名だった。
彼女は、雑誌などで美味しい店の情報があると、ベリベリ破くなどして、
「う」と書いた小引き出しに放り込む。うまいの「う」である。

ヒマができると、そこから適当なメモを取り出し、実際に食べに出かけたり、
お取り寄せしたりしていたそうだ。
そのくらいのメモ整理術でも、向田さんのグルメ情報の豊富さには定評があったと聞く。

メモとの付き合い方も、この程度がほど良い、と私は考えている。

第95回 『口はひとつ、耳はふたつ』前のページ

第97回 『携帯電話メモ術』次のページ

関連セミナー・商品

  1. 社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

    音声・映像

    社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

  2. 会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

    音声・映像

    会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

  3. ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

    音声・映像

    ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

関連記事

  1. 第161回 『論理の糸を通す』

  2. 第14回 リーダーシップ”KKMHS”

  3. 第107回 『ノー!の返事にこそ、気配りを』

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社長業

    第22回 瞬発力が会社の生死を分ける
  2. 教養

    第129回『ゴリオ爺さん(光文社古典新訳文庫)』
  3. 健康

    第58回 奥塩原新湯温泉(栃木県) 肌が生き返る!?天然の泥パック
  4. 戦略・戦術

    第39話 「なぜ、ワンマン経営者がいけないのか?」
  5. 経済・株式・資産

    第37回 何をやるかではなく、どうやるかが肝心:「ライドオン・エクスプレス」
keyboard_arrow_up