昨年末から台湾で人気の飲食店が東京の南青山~原宿周辺に進出、新たな飲食文化の提供を始めている。
■サニーヒルズ(微熱山丘)
台湾のお土産として有名な「パイナップルケーキ」のテイクアウト店が、南青山に昨年12月21日にオープンし話題になっている。
ここはテイクアウト店にも関わらず、2Fと3Fに飲食スペースがあり、商品を丸ごと一つを高山茶という最高品質のお茶と共に試食できることが特徴だ。
また、通る人達も必ず足を止めてしまうヒノキの角材に覆われた建物も話題で、これは近くにある「根津美術館」の設計も手掛けた日本を代表する建築家・隈研吾氏の設計による部材を、30度で接合した上で立体的に組み上げた地獄組みと呼ばれる日本の伝統的な組木格子で作られている。
このヒノキの竹カゴのような建物で、美味しいお茶と共にゆっくりと試食することで、日本初上陸の本場パイナップルケーキの美味しさを味わってもらい、認知度を広げていくというやり方はとてもおもしろい。
2009年に台湾中部に位置する南投という場所で本店がオープン、その後2010年に台北、2012年にシンガポール、2013年に上海と店舗を広げて行き、満を持しての東京進出で、日本で販売されている商品は、多少、日本人向けにアレンジされているというが、パイナップルの繊維の食感なども味わえ美味しかったので、5個入り1,500円、10個入り3,000円と安いわけではないが、日本でも広がりそうだ。
■春水堂(チュンスイタン)表参道店
タピオカミルクティー発祥の店として有名な、1983年に台湾で創業した、台湾では38店を展開する「春水堂」(チュンスイタン)は初の海外進出先として日本を選び、2013年7月に東京・代官山、2014年1月に六本木に出店していたが、「最も旬なショップの集まる表参道・原宿エリアで中国茶のカフェ文化を発信していく拠点」と位置づけた表参道店を3月21日にオープンした。
目玉商品のタピオカミルクティー(480円)は、アッサム品種の中国紅茶を使ったやや苦みのある味だし、新発売の「タピオカ鉄観音ミルクティー」(480円)もお茶本来の味を強調するため、これまで日本で売られているタピオカ系のお茶よりも甘みが押さえられ、タピオカの入らないウーロン茶や杏仁豆腐などのデザートも売られている。
春水堂では、お茶文化に親和性の高い日本で「お茶のカフェ」を根付かせ、そのノウハウを持って、世界的にカフェ文化を展開するチェーンであるスターバックスを目標に第三国にも進出することを狙っている。
表参道店は若者が多いためか、イートイン・スペースはあるものの、基本的にはテイクアウト用のものを飲食するスペースというファストフード店に近い感じで、サニーヒルズの試食スペースのようにゆっくり味わえる空間ではなかったが、「タピオカ鉄観音ミルクティー」はしっかりお茶の味を楽しめ、美味しかった。
今年は台湾の食文化が注目される年になるかも知れない。
●サニーヒルズ (SunnyHills 微熱山丘)
http://www.sunnyhills.co.jp/
所在地:東京都港区南青山3-10-20
TEL:03-3408-7778
営業時間:11:00~19:00
●春水堂(チュンスイタン)表参道店
http://www.chunshuitang.jp/
所在地:東京都渋谷区神宮前4-28-11
TEL:03-6804-6656
営業時間:9:00~21:00