●KADOKAWA・DWANGO
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- 高島健一の「社長のメシの種」
- 第138回 出版業界
出版業界の販売額(出版科学研究所調べ、電子書籍除く)は9年連続で減少、2013年は前年比3.3%減の1兆6,823億円となった。
内訳を見ると、書籍7,851億円(2.0%減)、雑誌8,972億円(4.4%減)で、月刊誌7,124億円(3.4%減)、週刊誌1,848億円(8.1%減)と雑誌の落ち込みが大きく、全体ではピークの1996年の2兆6,563億円の60%程度となっている。
また、電子書籍の市場規模は1,729億円(電子雑誌・電子新聞含む、野村総研調べ)で、今後の伸びは期待できるもののまだ市場は小さい。
売上1,000億円を越える大手3社も、集英社(売上1,253億4,900万円、前期比0.6%減、当期利益31億 8,200万円、5.2%減)、小学館(売上1,025億5,000万円、前年比3.7%減、当期利益4億6,300万円、63.9%減)がマイナスで、単行本とマンガでベストセラーが出た講談社(売上1,202億7,200万円、前年比2.0%増、当期利益32億1,400万円、107.3%増)以外は苦戦しているが、昨年、連結子会社のアスキー・メディアワークス、エンターブレイン、角川学芸出版、角川プロダクション、角川マガジンズ、中経出版、富士見書房、メディアファクトリーと合併して売上1,511億4,800万円(前期比6.5%減、当期利益75億9,200万円、50.6%増)となったKADOKAWAが、売上規模では大手に並んだ。
さらにKADOKAWAは、10月1日に動画サービス「ニコニコ動画」を手がけるドワンゴと経営統合してKADOKAWA・DWANGO(角川・ドワンゴ)となった。
KADOKAWAの角川歴彦会長は、「角川はアナログのコンテンツ、ドワンゴはデジタルコンテンツを作っており、それぞれプラットフォームを持っているが、角川はメーカー発想、ドワンゴはユーザー発想で技術集団なので、非常に強力な補完関係となる」と話していた。
これからは出版業界をはじめとしたマスメディアにも新たな展開が必要になりそうだ。
■La Kagu
新潮社は、10月10日に地下鉄東西線・神楽坂駅前にある昭和40年代に建てられた本の倉庫を改装した商業施設「La Kagu(ラカグ)」をオープンした。
ここは「REVALUE」(流行に流されず、昔からあるものや、これからも大切にしたいものに価値を見出そうという姿勢)をコンセプトに「衣食住+ 知」のライフスタイルを独自の目線で編集し提案、1階にカフェ、女性ファッション、生活雑貨、2階にブックスペース、レクチャースペース、男性ファッション、家具を配置している。
1階の入り口にある「la kaguと書き手」という期間限定のコーナーでは、15名の小説家が2週間使用し、感じたことやエピソードなどを綴った紙と共に帽子、バッグ、メガネ、洗剤などを展示、販売している。
私もカフェでサラダとデザートでランチをしたが、お酒が飲める人は神楽坂ビールとソーセージなどの盛り合わせ(シャルキュトリ盛り合わせ)などもお薦めのようだ。
神楽坂に住むフランス人たちが「カグラザカ」と発音しにくいため、「ラカグ」と呼ぶというエピソードから「la kagu」になった新潮社の新たな試みも、出版業界の新たな展開として注目したい。
======== DATA =========
●La Kagu(ラカグ)
所在地:東京都新宿区矢来町67番地
tel:SHOP 03-5227-6977 CAFE 03-5579-2130