ここ数年、成長が鈍化していたテレビ通販に、「インターネット生放送」という新たな活路が見えてきた。これは、生放送の番組をサイトでも同時に視聴できるサービスで、テレビ通販大手のジュピターショップチャンネルが、今年7 月からスタートさせた日本初のトライアルである。
テレビ放送中のライブ映像をネットにストリーミング配信。パソコンのフルサイズ画面で高画質の 番組を視聴できるようにし、ネット経由で商品を注文することも可能だ。
また、ネットでは掲載商品の横に番組録画を用意し、過去に放送した番組をいつでも見られるようにしている。忙しくて生放送が見られない人の受け皿にもなる便利さである。
ショップチャンネルは、地デジ完全移行により、視聴可能世帯の落ち込みは避けられないが、ケー ブルテレビやBS 放送を視聴できない人、そして、今までテレビショッピングに縁のなかった20~30 代の若いネット利用者を新たに取り込む施策を打ち出すことで、創業以来続く成長路線を維持していく構えだ。
今後は、スマートフォン(高機能携帯電話)といった端末でも視聴できる環境を整えていく予定で、ネット顧客拡大に向け、限定商品や独立・差別化したコンテンツの提供も視野に入れている。
テレビ通販のトップランナーであるショップチャンネルが、テレビとネットの連動により、相乗効果 を得られる販売手法をどう確立するか―。スマートフォンやタブレット端末を使って、新規顧客をどう開拓していくか―。
同社と組む顧問先企業も多いが、このようなB to B 先企業の戦略については、常に情報収集をし、「自社なら、どう組めるのか」を想定しながら、提案営業に取り組んでいこう。