■日本の高齢者人口
総務省が「敬老の日」にちなんで発表した9月15日時点の推計人口では、65歳以上の高齢者人口は過去最多の3,074万人で、日本の総人口(1億2,753万人)に占める高齢者(65歳以上)の割合も過去最高の24.1%(前年比+0.8%)となったが、これは「団塊の世代」(1947~49年生まれ)の内、1947年生まれが65歳に達しはじめたためで、前年に比べ102万人と大幅増となった。
75歳以上は1,517万人、85歳以上も430万人となり、65歳以上が3,000万人を、75歳以上が1,500万人を初めて突破しているが、0~64歳の人口は前年に比べ128万人減っており高齢化が一層進んだ。
また、男女別では65歳以上は男性が1,315万人、女性が1,759万人となったが、65~69歳の就業率は男性が46.2%、女性が26.9%と高く、世帯主が高齢者の世帯の貯蓄現在高も平成20年以降減少しているものの、2,257万円となっている。
このような人口統計を見ていると、「少子高齢化」「人口減少」で国際競争力が低下するように感じるが、欧米諸国や中国、韓国なども今後は高齢化に向かうため、日本は先行している優位性があるとの指摘もあり、高齢化を前向きに捉えてビジネスに活かす工夫が必要だ。
■スポーツクラブNAS西日暮里店
全国に50以上の施設を持つ、今年40周年を迎える「スポーツクラブNAS」が、今年8月1日に東京・西日暮里にオープンした「スポーツクラブNAS西日暮里店」には、最上階8階に高齢者層を呼び込む「元気横丁」という交流の場がある。
ここには団塊の世代が若い頃の、
高度成長期の東京の街並みが再現されており、駄菓子屋、喫茶店、「ローマの休日」などを上映する映画館、昔のバーのようなカラオケ室、当時の学校の教室風の交流スペース、建設中の東京タワーが見える和室スペース(60歳以上限定)などがあり、スポーツクラブの会員は無料で利用できる。
私は団塊の世代の次の世代のため、映画「三丁目の夕日」と同じ頃のここの風景はおぼろげに記憶がある程度だが、団塊の世代から上の人達にとっては懐かしい思い出にも繋がりそうで、今後は「元気横丁」と浴室だけが利用できる会員を作ることも検討しているようだ。
ここ数年のスポーツクラブ市場は、ヨガなどの専門施設が増加したため通う人が減少しているため、これから増加する元気な中高年層を取り込むこのような取り組みが増えてゆくと考えられる。
======== DATA =========
●統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)
http://www.stat.go.jp/data/topics/topi630.htm
●スポーツクラブNAS西日暮里店
http://www.nas-club.co.jp/nishinippori/