菜根譚に“逆境の中におれば、周身、皆鍼(しん)薬石にして、節を砥ぎ 行をみがきて、 しかも覚らず。 順境の内におれば、満前尽く戈矛(かぼう)に膏を銷(と)かし骨を靡(び)して、 しかも知らず。 |
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(逆境にいると身辺すべてが鍼や良薬となり、節操を高め、行いを砥ぎ、真剣にことに当たって いるが、自分ではそれを悟っていない。順調であるときは周辺すべてが刀や矛のようで、 体が油抜きになり、骨抜きにされても自分ではそれに気付いていない) |
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この戒めは現代の会社経営にも大いに役立つ。だいたい企業の健康長寿の害は好況時に発している。 好況という時の味方を己の実力と信じているあたり が行詰りの出発点となる。この誤りを反省し、 その挽回に努めるべき好機が、 逆境の時といいたいのである。好況時には見えない、 気付かないことにも心付 くことになるからである。
ある経営者は
次に、好況時には重荷と感じなかった現在の重荷、たとえば累積赤字、借金 過多、役職員の
この際、景気回復すれば、そんなことは解消するなどという夢を抱きなさるな。この理屈を尺取虫に
即ち不況はチャンスと託したければ、会社がいずれか来るはずの好況時に 満帆の船出をする
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- 中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機
- 第一話 「不況は会社守成の好機」