最速90秒で出来立ての生麺タイプのラーメンを提供するラーメン自販機が、JR東京駅構内、羽田空港第2ターミナル、首都高芝浦パーキングエリアに4月6日から設置された。
日本語の「妖怪(Yo-Kai)」からとった社名の、シリコンバレー・フードベンチャー企業による「調理するロボット」の「Yo-Kai Express」は、自販機内の丼に入った冷凍保存ラーメンを、注文ごとに独自の解凍技術と複数の内部センサーによって最適に調理できるのが特長だ。
アメリカでは空港、ホテル、病院、企業、大学、会議場、複合居住施設など50カ所に設置して、温かい食事を無人で24時間提供、20万食以上利用されており、ラーメン以外にもトムヤムヌードル、フォー、天ぷらうどん、丼物やデザートなどにも対応できるという。
「Yo-Kai Express」は日本に以前からあったカップ麺にお湯を注ぐだけの自販機とは違い、インターネットに接続されているため、在庫情報やPOSデータをリアルタイムに管理でき、将来の売上予測や価格変更にも対応できる。
私は東京駅で熱々の「札幌 Spicy Miso」ラーメンを食べたが、その他にも「鶏 Yuzu Shio」「東京 Shoyu」「九州 Tonkotsu 」の4種類を790円(税込)で展開している。
テイクアウトの冷凍ラーメン自販機は、地下鉄飯田橋駅構内など都内でも数カ所に設置され、遅い時間でも買って帰れるようになったが、その場で熱々のラーメンが食べられる自販機は24時間営業のラーメン屋に匹敵する。
「Yo-Kai Express」では2022年中に250台を日本各地に設置する予定で、その後は韓国、台湾、ヨーロッパでの展開も視野に入れているという。
■無人コンビニ「TOUCH TO GO」
2019年に東京・山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」構内に1号店がオープンした無人コンビニ「TOUCH TO GO」は、ファミリーマートと提携してオフィスビルに出店したり、羽田空港第2ターミナル地下1階にギフトショップ(土産店舗)として「ANA FESTA GO」をオープンするなど、いろいろな種類の店舗を増やしている。
「TOUCH TO GO」は、天井に数多く設置されたカメラと商品棚のセンサーによって利用者と商品を追跡するので、利用者は商品を手に取ってゲートの前の決済エリアに進むだけで購入商品と金額が表示され、素早く買い物ができる。
昨年10月には、15m2程度の狭いスペースに対応する極小地向け無人決済店舗システムを、埼玉県川越西郵便局内に設置、神奈川県では従業員の休憩室内にも設置している。
コロナ禍で、人間同士の接触を極力抑える状況が無人販売には追い風となったが、人口減少、少子高齢化による人手不足が問題となっている日本では特にニーズは高く、センサーや画像認識技術などによる無人店や自販機は、今後も進化しそうだ。
======== DATA =========
●Yo-Kai Express
https://www.yokaiexpress.com
●TOUCH TO GO
https://ttg.co.jp