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人間学・古典

第二十七話「豆を煮るに豆がらを焼く羹」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」コラムを再連載するものです。


三国時代の魏の曹操には兄の曹丕と弟の曹植の子がいた。その曹植は若くして文才にすぐれ、武技もよくしていた。曹操は、曹植の才能をよく愛し、兄の曹丕に変わって太子に立てようとしたが、
直情径行、粗暴の振る舞いも多かったので、結局、兄の曹丕にあとを譲った。

曹丕は継ぐと後漢の献帝を廃し自ら魏の文帝と称した。この文帝と曹植は小さいときから肌が合わず曹植は兄の憎しみを受けていた。

ある時、曹丕文帝は東阿王に封ぜられていた曹植を呼んで、即席に詩を賦することを命じた。

余の前七歩を歩むうち、詩が出来ぬときは勅令に背くものとして重罪に処す。という厳しい命令。
こうして弟の曹植を痛めつけようとしたのであった”

曹植は兄文帝に応じて立つと、ただちにこう作詩した。

  豆を煮て持して羹(あつもの)を作る
  豉(し)を漉して以て汁となす
  豆は釜の下に在って燃え
  豆は釜の中に在って泣く
  本是同根より生ず
  相煎る何ぞ太(はなはし)く急なる

羹を作ろうとして豆を煮、味噌をこして汁を作るのに豆がらを釜の底で燃やすと釜の中の豆が熱さに堪えかねて泣きながら言うには、豆も豆がらも、もともと同じ根から育った間柄なのに、こんなに急いで煮るとは、あんまりつれない仕打ちではないか。

これは弟として、父母を同じくする誠の兄弟の間柄である。本来は共に手をとり合って継ぐべきはずなのに弟の私を責めなさるのか、という切ない気持ちを詩に託したのである。

 ※栗山英樹氏から、本コラム井原隆一氏の「人の用い方」書籍と、井原隆一「人の用い方セミナー」収録講演CD版・デジタル版を推薦いただきました!

 監督の仕事は、選手の心を動かし、勝利の高みに導くことです。人をいかに用いて、信頼感を高めるか―――
その答えを求めて、私は井原さんの「人の用い方」のCDを5年間、毎日球場までの往復2時間、車の中で聴き、本をカバンに忍ばせていました。選手は勝利のために厳しい練習をしているわけですから、私は素振りの代わりが勉強だと思っています。

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