人の成長とは、日頃接していると中々実感しにくい。だが、世の中が常に変化しているように人も常に変化している。会社が成長を成し遂げるには、社員の成長 という“変化”なくしてはあり得ない。
「人が明らかに成長という変化をする“きっかけ”となる時は、人生の節目を迎える時や。その折節を大切にせ よ」 と、よく先代社長から言われた。
竹には、節々があり普通の木と違って、3センチ伸びるといっても、節々ごとに3センチ伸びるので、8つの節があれば、24センチも伸びる事に なる。だから竹はグッグッと成長する。それを会社も人もやらなければならない。社員の折節を掴んで、育むのも社長や幹部の大切な仕事である。
賞与の支給について、社員が100人を超えるまでは、一人ひとりの袋の中に手書きのメモを入れてくれた。
「今年もご苦労様です。この半年間でこんな事ができるようになって嬉しい限りです。来年はOOができるようにな る事を期待しています。」と一人ひとりに期待を込めた“具体的な”メッセージを添えられた。
辞令交付もそうだが、今まで、指導に行った会社のほとんどが、「辞令 貴殿 ○○営業所 所長を任じます。」これだけではあまりにも冷たすぎ る。
「何のために行ってもらうのか?」「行って何をしてもらいたいのか?」その期待 をはっきりと示してあげることが重要だ。
人は心で動くものだ。相手の心の琴線に触れる言葉がなければ人は動いているフリはしても心から動かないものである。
今、混迷する不況の波が押し寄せてくる今だからこそ、社員一人ひとりに期待を込めた具体的なメッセージを何らかの目に見える形で伝えて上げて ほしい。景気後退などの後ろ向きの言葉が日常溢れてきている。今だからこそ、前を向く言葉をかけてあげてほしい。