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第118回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方39 今年の社員教育の決め手

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 

 前回、「今のお客様の顧客ロイヤルティを上げる」についてお話しました。今回は、「今年の社員教育の決め手」についてお話します。
 毎年、希望に胸を膨らませた新人さんの研修はその出会いを楽しみに伺います。ただ最近の傾向として、「希望に胸を膨らませた」の言葉の前に「静かに」が加わる気がします。緊張もあるのでしょうが、以前より「元気よく」に欠けている印象です。これは職種を問わず感じます。
 
 個々の能力の問題ではなく、自主的に動くかどうかの認識があまりない、あるいは出来るだけ目立とうとしないということかもしれません。かつては、皮膚から外に表現する仕方は社会人としてまだよくわからないけど、やる気の熱だけは発散させているというタイプの方はいらっしゃいました。現在はその意味で「静か」なのです。
 その状況を今から意識して打破しておかないと、「自律的に働く」ことが、これからの自分に大変重要です。すでにロボットやAIが人の仕事にとってかわりはじめていますから、その流れは顕著です。今から5年もしたら、同僚がロボットなどということがあり得るかも知れません。自分の存在を「人材」ではなく「人財」とするためには、自ら考え付加価値を生み出しそれらを自ら発信できる人になければなりません。ロボットやAIに勝るにはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
 以上のようなことを研修の導入に話します。

次に「企業理念」の理解です。企業はお客様に会社がどのような考えのもとに何をめざしているのかを表明しています。あなたがA社に就職していたら、A社の企業理念に基づいて行動するのがA社の社員全員の目的です。
さらに企業理念を朝礼などで唱和する場合、ただ唱えるのではなく、活字の意味を丁寧に心の中に落とし込んで、内容をしっかり自分に言い聞かせることです。
 スタートラインで、企業理念を理解することは新人さんとして仕事の第一歩といえるのです。この2点の理解の上に新人研修をつみあげます。ここで新人研修の意味を新人さんに誤解のないよう説明します。どの講師も新人研修で取り上げる項目は、身だしなみ・発声・笑顔・所作・言葉遣い・仕事の進め方・文書の書き方・電話応対などほぼ同じです。ではなぜ取り上げる項目が同じなのか。

 新人研修で取り上げる項目は、新人さんが対象なので「易しい」項目なのでしょうか。いいえ。仕事の基本として「一生忘れてはいけない大切な項目」なのです。例えばピラミッドの底辺を支える大事な一つ一つの石と同じです。この基本は、新人時代が終わったのでもう要らないというものではありません。ですから先輩となって新人さんを向かい入れる側は、どの項目も無意識にきちんと出来ていなければなりません。新人さんが研修後、現場に戻った時、先輩として研修通りのお手本を示せるかどうかです。これは新人さんを育てるときのポイントです。

 また前述の大事な研修項目の一つ「文書の書き方」で、最近気になることがあります。一般的に世代として、皆さんは自分の手を使って文字を書いたり本を読む習慣が少なくなっているようです。安易にパソコンで検索して出てきた言葉を使うと、検索で出てきた言葉を使いなれていないので、それらの言葉がセンテンスの中でマイナスに際立ってしまうことがあります。相手の心に届けたいと思うあまりに、普段使い慣れていない言葉を羅列してしまうと、自分では気づかずに慇懃無礼な印象を与えてしまうかもしれません。
 そのような意味から、できるだけ本を読んで語彙を増やす努力をしてください。検索で知った言葉と自分の中の語彙を比較して、選択することができます。自分の中に比較できる語彙を多く持つということは、検索から得た言葉を使うしかないという状況を避けることが出来ます。
 
 
 
■松尾友子氏
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