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社員教育・営業

第120回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方41「教えながら学ぶ」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 

 前回「ホスピタリティと助け合い」についてお話しました。今回は、「教えながら学ぶ」についてお話します。
 
 毎年一月、二月ごろに研修に伺うと、終了後研修内容の質問とは別に「四月に新人さんを迎えたら、指導をしなければならないのですが、どのように教えたらいいのか不安です。どのように教えたらいいですか。」と聞かれます。新人さんを迎え入れる期待と、自分が指導する立場になる責任と不安が入り混じる時期が、今年もめぐってきたと感じます。
 
 研修で学ぶことは、特に新人研修の内容は一生覚えておかなくてはならない大事なことばかりです。企業理念の理解・挨拶・身だしなみ・笑顔・言葉遣い、、、でもその一つ一つについては、「こんなに当たり前のこと」と感じてしまうかも知れません。でも言葉をかえると、これらの「基本の徹底」や「凡事徹底」をよく理解し、日々の業務に実践出来ている人がプロなのです。
 
 少し話が脱線してしまいますが、何社かが集まったクレーム研修のご依頼をいただくと私が最初にすることは発声練習です。受講生の中に上場企業のお客様相談室の室長が参加されていても研修のスタートは発声練習です。基本の徹底ができていない応対が原因のクレームも少なくありません。クレームはそうでなくても苦手意識からか、小さな声で応対しがちです。でも小さな声では、どんなに説明内容が良くても、残念ながら印象が弱く説得力のない応対と受け取られてしまいます。そこを納得していただけると、大きな口を開けて「アエイウエオアオ」と練習してくださいます。このような理由から教える立場になった時一番先にすることは、自分のビジネスマナーが教える側に相応しいレベルかどうかの振り返りです。なお、業務内容については、質問されてもわからないことはないと言えるくらいの気持ちでよく確認をしておきましょう。もしよくわからないということがあれば、教える前に調べたり上司や先輩に聞いたりしてクリアにしておきます。
 
 自分がしなければならない仕事が沢山あるのに「教える」のは面倒と思う方がいるかも知れませんが、教える立場に立つ機会を持つことは、自分がステップアップ出来るとても良い機会です。教えてもらう側の人は自然に「見とり稽古」や「聞き取り稽古」をしています。まず普段からお手本の言動ができる自分でいることが大切です。日々の忙しさから知らないうちに大事なことを疎かにしてきていないか、見つめ直してください。電話応対の研修で新人さんに、「電話のベルがなったら、まず笑顔になりましょう。口角が上がるので、第一声の響きが明るく好印象です。」と説明したら2人の女性が頷きあっていました。どおしたのと伺うと、「だから先輩はいつも電話に出るとき、そうしていたのですね」と教えてくれました。新人さんは、同時に先輩が研修通りの応対をしていたことが嬉しかったのではないでしょうか。今後このお二人はきっとその先輩からアドバイスを受けたら、何でも素直に実行されるでしょう。逆に先輩が電話のベルの音を聞いても笑顔にならず第一声を出すのを見たら、研修で聞いたことをしていないなぁと感じてしまうでしょう。この先輩が教える側に立つとき、指導は難しいでしょう。
 
 今回は教える前の自分の振り返りについてお話しました。教えることをすでに自分が言動で見せていると、言葉に説得力が増します。自分の言う言葉を受け入れて貰いやすくなります。そこを整えて初めて「教える」ことが始まるのです。
 
 
■松尾友子氏
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