新型コロナウイルス感染者数が10月に入り急減しているが、コロナ禍を経験したせいか、日本では各方面で急速に「サスティナブル(持続可能性)」の取り組みが始まっている。
9月10日にリニューアルオープンした「MUJI新宿」は、1階に「ReMUJI」」という古着売場をもうけるなど、「サスティナブル」をテーマにした店舗になっている。
着なくなった衣料品、不要になった家具、食器、本などを回収して、洋服であれば染め直しやパッチワーク加工での補修などを施し一律1,990円、古紙になるはずだった画集などは一律300円で販売、家具や食器も「もったない市」というコーナーで販売されている。
アウトドア用品の「パタゴニア」も、8月20日~9月26日に中古品を買い取り修繕して再販売する「ウォーン ウエア(Worn Wear)」をコンセプトにしたポップアップストアを渋谷店で開催、「消費を減らし、すでに所有している衣類をより長期間活用すること」を提唱するなど、販売される衣料品の半分がゴミとして海外に廃棄されているといわれるアパレル業界で、再利用促進の動きが広がり始めた。
■グリーン・アース・インスティテュート
9月に行った、日本経営合理化協会の「本郷バレー・リモート視察セミナー」で訪問した「グリーン・アース・インスティテュート(Green Earth Institute)」も、「コリネ菌」を使って食品工場などの残渣や古着などをグリーン化学品やバイオ燃料などに転換する企業だ。
バイオマス(動植物などから生まれた生物資源)の中でも食料生産と競合しないものを原料として、再生可能エネルギーであるバイオ燃料や飼料添加物になるようなアミノ酸、石油由来ではない化学品を作り出すことがミッションだ。
「コリネ菌」は協和発酵が「グルタミン酸」をつくり出す菌として発見したものだが、これを「アスパラギン酸」だけを作れるように遺伝子組み換えして効率良くバイオ燃料などを作れるようになり、2020年には「10万着で飛ばそう! JALバイオジェット燃料フライト」という企画で、古着から作ったジェット燃料を搭載した航空機(羽田-福岡)を飛ばしている。
コロナ後の新しい世の中は既にスタートしている。
======== DATA =========
●MUJI新宿
http://www.muji.com/jp/ja/shop/045458/articles/events-and-areainfo/events/798561
●パタゴニア
https://www.patagonia.jp/
●グリーン・アース・インスティテュート(Green Earth Institute)
http://gei.co.jp/ja/