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- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第190号 123万1500人
この数字は、今年4 月に訪日した外国人数だ( 日本政府観光局発表)。
前年同月比33%増で、2カ月連続で過去最高を更新した。これは、3 月30 日から羽田空港の国際線発着枠が4 割増と、大幅拡張されたことが一因となっている。
私も、アセアン諸国への出発便は、羽田空港と成田空港の半々で、中でもバンコク便はすべて羽田発となり、格段に便利になったことを実感している。
訪日客を国・地域別でみると、フィリピンからは前年同月比230%増、タイは65%増、台湾は30%増と、いずれも過去最高を記録。
とくに、昨年7月にビザの発給要件が緩和された、東南アジア観光客の伸びが目立っている。
また、日中関係の悪化で減少していた中国人の入国も、90%増と回復しており、この数字に少なからず寄与している。
この訪日観光客の増加で、一番恩恵を受けているのは、東京都心のホテルや百貨店だ。
とくに消費増税前の駆け込み需要の反動で、売上が大きく落ち込んでいた百貨店業界にとっては、外国人観光客の旺盛な消費が恵みの雨になっている。
日本百貨店協会によると、4 月の訪日客の免税売上高は5 割増と、初めて単月で60 億円を突破して過去最高を売上げており、今年度は500 億円に達すると見込んでいる。
中でも、外国人観光客の多い銀座の中心に位置する三越・銀座店は、4 月の免税売上が93%増と大幅に増加。売上全体に占める割合は約10%と拡大し続けている。
売れ筋商品は、ブランドバッグや衣料品、家電などだが、現在は、免税対象外となっている高級化粧水や抹茶、日本酒などの嗜好(しこう)品も売れているという。
今年10月には、免税対象が全品目に広がるため、百貨店にとっては大きな商機となるはずだ。
このように、政府主導により観光立国としての成果は確実に上がっており、次なるは、彼らが帰国した後のビジネスである。
外国人観光客に、ネット通販で日本商品をリピートしてもらうのだ。この状況を捉えてヤフーでは、中国最大級のオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」と連携し、今年6月から「Yahoo!ショッピング」の商品をアリペイで購入できるようにした。
代行購入業者を仲介させる仕組みにより、中国人消費者は商品を買いやすくなり、Yahoo の出店者は、とくに何をしなくても、中国からの注文を受けることが可能になったという。ネットを基軸とするボーダレスの世界通販は、ようやく機が熟してきた。