●通訳を商談の主役にさせないために
海外企業との商談、いつの間にか通訳が主役になっていることがあります。経営者が一言も発せずに、すべて通訳を経由した話合いになっている場合です。外国人が通訳だけを見て話す事があるのです。
基本的には通訳を使うにしても、最初と最後は経営者が自分の言葉でビシッと決めて終わりたいものです。それでこそあなたの印象が相手に残ります。前回は自己紹介の言葉を学びましたので、今回は最後のキメの言葉を憶えましょう。
日本で最後に交わされる「どうぞよろしくお願いします。」という言葉には、英語ではいろんな言い方が考えられます。
まず憶えてほしい単語がappreciate です。感謝します、という意味ですが、Thank you というよりも知的で大人な雰囲気が感じられます。実際に海外とのやり取りが始まると真っ先に憶える言葉と言ってよいでしょう。
◆I would really appreciate it if ~
(~を心より感謝します)
if 以下に相手にしてほしい事を記します。
・I would highly appreciate it if we could get your cooperation.
あなたにご協力いただければ感謝いたします。
・I would really appreciate it if you could continue to make an effort for us.
我々のために引き続き尽力頂けることを心より感謝します。
具体的なリクエストを伝えるのもよいでしょう。
・I would appreciate it if you could send me more information about your company after this exhibition.
本展示会の後で、あなたの会社に対する情報をもっと私に送っていただけるとありがたいです。
◆~would be much appreciated.
(~を非常にありがたく存じます)
・Your long-term partnership with us would be much appreciated.
われわれが長期にわたるパートナー関係を維持できるのであれば、非常にありがたく存じます
勿論、カジュアルな言い方も憶えておいてよいです。
◆We / I hope to~
(~よう願っています)
・We hope to continue to do business together.
一緒にビジネスを続けられるよう願っています
・I hope we can have a good relationship for a long time.
我々が長期にわたって良い関係を維持できる様望んでいます
特にメールなどの最後でよく疲れるフレーズもあります。
◆Thank you for~
(~に感謝します)
・Thank you in advance for your consideration.
あなたのご考慮に、あらかじめ感謝を申し上げます
こういった言葉、発するときの態度が大事です。しっかりと背筋を伸ばし、相手の目を見て、握手をしながら、堂々と言ってください。「あなたとの時間はここまでです」と区切りをつけるようなつもりで言いましょう。
最後に、これは直接に英語とは関係ない外国人の付き合い方のメンタリティーの問題ですが、交渉のあり方として「大阪のおばちゃん」を意識しましょう。彼女らはまさに最強に国際人です。その特徴は4つです。
1.決断が早い。
2.イエス、ノーがはっきりしていて本音の話がしやすい。
3.表情がゆたかで人柄が分かりやすい。
4.少し厚かましい
海外企業は日本企業の「その質問に関しては本社に持ち帰って検討して答えします」といった回答にウンザリしています。その場で質問に答えてこそ、社長としての権威を相手も認めることになります。なお、I think などと文頭に付ける必要は特にありません。決めるところはビシッと決めて、
See you next time in Tokyo in September. (次回は東京で9月にお会いしましょう) と自信ある笑顔で別れましょう。