本物にこだわり、美味しい高級ビールを生産・販売しているのが、
銀河高原ビール株式会社(本社・東京都中央区銀座)である。
新しいビールの飲み方を提案しているテレビCMは司会者のみのもんたさんが起用され、「おやすみビール」として話題を
呼んでいる。一般的にビールはのどの 渇きを潤す一気飲みが、日本のビール文化といわれているようだが、同社はワイン
感覚で食事を豊かにするビール、そして、おやすみ前のひと時の憩いの場で飲むビール、さらに、健康食品の感覚で飲む
という新たなビールの飲み方を提案している。
同社の中村功社長は在来工法による一戸建て注文受注で特化、成長を続ける東日本ハウスの経営者として知名度も高く、
現在、会長に就いている。中村社長は 独特の経営手法と経営哲学を持つ。12年前、ドイツ人の青年、マイスターのステファン
と出会って、「日本のビールはにせものだ」と言われたのが、ビール事 業に進出するきっかけという。銀行を始め、取引先の
多くがビール事業には反対だった。そんな中、「困難があるのは当たり前」という持論を持つ中村社長の旺盛なチャレンジ
スピリッツが爆発した。
同社は「本物のビールの製造」にこだわった。本物のビールとは何か。
「本物とはドイツのビール純粋令を守り、原料に『麦芽、ホップ、水』以外を一切使わない。これが本物のビールである」という。
特徴はビール酵母入りで、無ろ過製法によるこだわりビールである。
同社の創業は平成8年7月、以来、本物の高級ビールの普及に努めている。
世界的に知名度のある英国のウェッジウッド社と組んで高級贈答品「ウェッジウッドジャスパー・オリジナルビアマグギフト」
(1万500円・税込み)を開 発商品化し、全国百貨店を中心に限定2万セットの販売を狙い、年末のお歳暮商戦に参入している。
中村社長は率先垂範で経営の陣頭指揮を取る。第一線の営業マンに対しても
「悪い話から先にしろ」「結論を先に言え」と いうのが口ぐせである。
ややもすると、悪い報告はしにくいもの。しかし、事実が大事であるし、スーピードが最も大事だと指摘する。
現場の報告次第で打つ手 が異なってくるわけだ。
また、幹部から第一線の営業マンに対して、「自分の人生は、自分で決めろ」と言い続けている。
仕事の中で責任を持って自分の思ったとおりに事を運べ、そ して、その場で結論を出せ、という。
「よければ自分、悪くても自分」という覚悟が大事だという。
同社の高級ビールのシェアは徐々に伸びてきているが、将来、国内シェア5%を目指して動き出している。
上妻英夫
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