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健康

第6号 「インフルエンザ予防のココロ~」

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 わたし、インフルエンザです。

 四季のある日本では、毎年早秋に流行が始まり、冬季にピークを迎え、晩春には終息するのが一般的です。

 でも、今年は少し早めに登場しています。例年より2ヶ月も早く学級閉鎖が行なわれている学校も出てきたと聞いています。

 みなさんは「パンデミック」という言葉をご存知ですか?

 限られた期間にある感染症が、「世界的に大流行」することを、パンデミックと言います。「感染爆発」という意味ですね。これに対して感染症が一部地域で、あるいは散発的に流行することは「エピデミック」と言います。

 歴史的なパンデミックとしては、14世紀にヨーロッパで流行した黒死病(ペスト)、19世紀から20世紀にかけて地域を変えながら7回の大流行を起こしたコレラが有名です。

 わたしインフルエンザ・パンデミックも、1918年のスペインインフルエンザ、1957年のアジアインフルエンザ、1968年の香港インフルエンザ、1977年のソ連インフルエンザなどがあり、たとえばスペインインフルエンザでは世界で約4,000万人、日本では約39万人の死者を出したと言われています。

 世界保健機関(WHO)が世界にパンデミックの脅威の深刻さや、より高度の事前計画活動を実施する必要について知らせるため、パンデミックの状態を「6つのフェーズ」を用いて警告していますが、それによると、現在はフェーズ3「ヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は基本的にない」の段階です。

 しかし、まもなくフェーズ4「ヒトからヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、感染集団は小さく限られている」に移行するのでは、と言われています。

 ところで、なんで毎年わたしが登場するのか、はしかとか、風疹とかならワクチンを1回うったら、ほぼ一生かからないと言われるのに、わたしの場合、ワクチンを毎年うつのはなぜか。

 それは、わたしがもつHA、NAという2種類の表面の突起(たんぱく質)がありますが、この抗原性をよく変えてしまうからなんです。

 みなさんのカラダの免疫細胞さんたちが「抗体」をつくるためにサインとなる突起を変えてしまうわけですから、わたしは、免疫パトロールをかいくぐる術を心得ているというわけですね。

 でもまあ、そうまでして、みなさんのカラダにお伺いするのには、ちゃんとした理由があるんです。

 今年のわたしの目的は、

 1.みなさんのカラダの血液循環を促進すること、

 2.沈着した金属毒素の排泄を促し、ミネラルバランスを整えること

 3.熱の発散

 の3つです。筋肉をあまり動かさず、感覚神経系が鈍化している方は要注意ですよ。

 逆に言うと、よくカラダを動かし、血液循環がしっかりしていて金属毒素の排泄がうまくいっているカラダには、わたしは侵入しにくいということです。

 そして、今回わたしがターゲットにしているのは、金属毒素の中でも「鉛」です。

 鉛は、道をあるいていてもガソリンに含まれていますし、古い水道管には鉛が使われているケースが多いです。髪の毛を染めるヘアダイにも含まれます。

 鉛に限らず、重金属の毒素はふつうに生活していてもカラダに蓄積していきますので、なかなか防ぎようがありません。

 なぜ、そんなものを狙うのかって?

 基本的に、こう考えてくださいね。わたしたちウイルスは、あなたがたのカラダの反応に「引き寄せられて」浸入します。特にわたしは「高熱」を発しますから、カラダに溜まった金属毒素なんかを燃やしてしまうのに最適なんですね。

 カラダとしては、機能を高めたり、より健康になるために、溜まった毒素を何とか排泄したい。でも、重金属なんかは一度溜まるとなかなか排泄されないんです。

 そうするとミネラルバランスが崩れて、ミネラルイオンなどによって調節されている体液の流れに不具合が生じます。

 この状況を何とかするために、カラダはわざわざウイルスを招き入れてまで「炎症」を起こそうとするんですよ。尿、便などの一次排泄で足らない分を、熱とか下痢とか湿疹とかを使って、二次排泄するんですね。

 鉛がカラダにたまってしまうと、神経組織に異常をきたします。感覚が鈍化してしまうんです。さらにそれが運動神経に影響をおよぼすと筋肉の衰弱を起こします。

 また自律神経に至ると、腸の働きに異常が出ます。鉛はさらに動脈にたまりやすいですから、肥厚して動脈硬化の要因ともなります。

 こうした鉛をためてしまう背景には、「憂鬱」、「メランコリック(せつない)」、「無気力」の蓄積という背景があるんです。

 これらの感情と鉛がドッキングすると、カラダの不完全燃焼、くすぶる体内熱の増加を起こすんです。カラダにとってはよくないですね、この状況は。

 というわけで、わたしが呼ばれてしまうんです。

 つまり、わたしはカラダの要望にお応えしてお手伝いをしているだけなのですよ。

 しかし、わたしが流行してしまうと、不本意なことに、もっとも感染しやすいのは5歳~9歳までのお子さんのカラダです。

 そして、わたしによって症状が悪化し、致命までいくのは新生児と高齢者が圧倒的です。全死者数のうち、75%を新生児と高齢者の方々で占めます。

 弱者に感染するのは心が痛みます。

 わたしたちウイルスは、もちろん鼻、口といったところから浸入するのですが、浸入のねらいを定めるのは「首すじ」からなんです。

 首すじにスキがあって、「憂鬱」、「メランコリック(せつない)」、「無気力」のにおいを嗅ぐと入りやすいくなっちゃいますよ。

 だから、どうぞ首すじだけはしっかり温めて、そしてその間に、カラダを動かし、血液循環を高めて、感覚系を鋭くするような生活を心がけて下さい。わたしも無用にみなさんを悩ませるようなことは、したくありませんから。

 次回も引き続き、わたしが登場します。

 わたくしが感染してしまっても、なんとかその症状を最小限にとどめるヒントをお届けできれば、と考えております。

  ※おのころ心平氏に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。
  Q&A形式で、このコラムにて回答させていただきます。なお、重篤な疾患など
  コラムで取り上げにくい内容は、個別での回答とさせていただきますので、ご了承ください。
  質問あて先メールアドレス(担当:高橋)/etsuko@jmca.net

 

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