新年 明けまして おめでとうございます。
この年末年始は、南イタリアを訪問し、「ホンモノに触れる」感性を磨く旅を楽しんできました。
心身充実、また素晴らしい一年の始まりです。
経営感覚を身につけたいならば、“前年比何%の伸びであった”と、売上数字を漠然と眺めるのではなく、
自社の数字(担当部門でも同じ)が業界平均と比 べて高いか低いかをチェックしていくことが大切になる。
もっとも、それは第一段階であり、あと二点ばかり別の角度からのチェックも必要である。
ひとつは、「ライバル会社よりも、伸びが高いか」をチェックするといことだ。
リーダーには、“3年であの会社に追いつく”とか、“どんなことがあってもあの会社には負けられない”という、
明確なターゲットを心に刻むことが必要であ り、競争相手よりも成長率が高いかどうかをチェックすることがポイントだ。
もしそれが実現すれば、シェアは高まるという結果を生む。
ランチェスター戦略を講義に解釈した考えで、
「ある商品のシェアが60%を超えると、競争相手が広告宣伝をすればするほど、その商品が売れてしまう」とい うものがある。
キリンビールが最高で64%のシェアを占めていた頃、
ライバルのアサヒやサッポロが宣伝する、キリンの売上が伸びたことはよく知られている。
当時の宣伝コピーは“どういうわけか、キリンです”。
サッポロやアサヒの広告マンは、悔しさに泣きに泣いたといわれている。
そしてもう一点、売上数字を前に、伸び方の質をチェックすることも忘れてはいけない。
例えば、店員のサービスを徹底的に改善すること、効果・効率を上げる品揃えをすること…、そういった会社(担当部門)
にとって妥協できない主要課題について、全員で一所懸命に取り組み、その結果として必然に、売上に結びつく。
これを「マネージされた成長=Managed Growth」という。
これに対して、周りの景気がいいから“経営努力もしないで売れた”そういう伸び方は、「成長」とはいわない。
「膨張」といい、ちょっと針でつつこうものならすぐさま破裂する、まさしく「バブル」である。
つまり、取り組まなければならない優先課題と売上との間には関連性があるということだ。
リーダーであるあなたにとって、
今年の“経営課題・優先項目は何かを明確にする”ことがいかに大切であるか、この面からも理解できよう。
(1)自社の売上数字を、業界平均の伸びと比較する
(2)ライバル他社との比較をする
(3)伸び方の質をチェックする
経営感覚を身につけるというからには、売上数字に対しても、最低でもこの3つの角度からチェックすることが求められる。
新 将命