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教養

第128回『MAROの“偏愛”名曲案内 ~フォースと共に』

眼と耳で楽しむ読書術

読書の秋、そして、芸術の秋。

本を通じて、芸術に触れ、新たな世界の扉を叩くのも、また素晴らしいことです。

今回紹介するのは、読む芸術と言うべき、この一冊、

『MAROの“偏愛”名曲案内 ~フォースと共に』(著:篠崎史紀)

MAROの“偏愛”名曲案内 ~フォースと共に/amazonへ

です。

著者の篠崎氏は、名門NHK交響楽団のコンサートマスターを25年に渡って務めている他、
NHK Eテレ「クラシック音楽館」案内役としても有名。
東京藝術大学、桐朋学園大学、昭和音楽大学、さらには、
東京ジュニアオーケストラソサエティにて後進を育成。

“マロ”というニックネームで親しまれ、日本クラシック音楽界の顔と言っていいほど、
幅広く活躍しています。

ぼくが篠崎氏に興味を抱いたのは、「くまもと復興国際音楽祭」の映像を見たのがきっかけです。

音楽監督を務める篠崎氏が、ドヴォルザーク作曲『新世界』の演奏について、
子どもたちに指導しているものなのですが、これが圧巻の一言!

 「ちょっとかわいい洋服を買って自慢げに着てる感じって出る?」
 「酔っぱらったオヤジが笑ってる感じってわかる?」

といった具合に、笑いをとりながらも、イメージが膨らむアドバイスを連発。
結果、まるで、魔法にかかったかのように、どんどん仕上がっていくんですよね。

一般的なクラシック奏者のイメージとは全く異なる、ユニーク極まりないキャラクターと
表現力に感服。卓越した指導者であり、リーダーであることを確信した次第です。

本書は、そんな篠崎氏が、ベートーヴェンの『運命』のような
誰でも知っている有名曲からマニアック曲まで、幅広く紹介するもの。
曲の聴きどころはもちろん、作曲家のエピソードや歴史的背景、自身の演奏体験などを交えながら、
1つ1つの楽曲を楽しくわかりやすく解説。

クラシックにあまり馴染みがない人でも親しみやすく、かつ、
玄人を唸らせるような箇所が随所に見られ、ページをめくる手が止まらない!
N響を率いるコンサートマスターとして、
多くの一流指揮者、演奏家と共演を重ねてきた経験が、いかんなく発揮されています。

さらに、篠崎氏による教育論も必見!
クラシック音楽への理解を深め、教養面の充実に役立つのはもちろん、
いかに人を育て、まとめていくかのヒントも詰まっています。

経営者、リーダーにとって、世界トップクラスのコンサートマスターから学べることが
いくらでもあるはず!
極めて貴重な一冊です。
ぜひとも読んでみてください。

尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は、
『フラーリッシュ・イターナリー』(指揮:篠崎史紀、演奏:篠崎史紀、アントニー・フロガット)

フラーリッシュ・イターナリー/amazonへ
です。

イギリスの名門オクスフォード大学にあるマグダレン・カレッジ・チャペルで録音された名盤。
篠崎氏が奏でるバイオリンの魅力満載のこのアルバム、
本書と合せてお楽しみいただければ幸いです。

では、また次回。

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