menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

社長業

Vol.157 我社にしのびよる大企業病を撃退する

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

  4月に入ると、新年度のスタートにあたり、「事業発展計画」発表会に出席する機会が増えてくる。
 
 土曜、日曜は、ほとんど出張続きであるが、たまたま、この2週間出席した会社は、100年企業、50年企業2社、40年企業1社で、いづれも長寿企業であった。共通している問題点に気づいた。
 
 中小企業が大企業病に陥ると大変な状況になる。社歴が長いだけに、年配の幹部がきっちりそろっている。右肩上がりのいい状況、インフレ状態で成長した思いが、まだまだ意識の中にある。
 
 内部留保はしっかりしているので、それなりに安心、安定している。業界や地域では、それなりに有名である。もともと老舗企業には共通する状態だが、どの会社も、「色が黒っぽく」見え、おとなしい。
 
 会社内で新しい提案が出されて、会議に議題があがっても、「リスク」「出来ない理由」が先に発言されるようになったら、大企業病である。
 
  また、上席者が、「お客様のところに行かなくなった」「足が遠のいた」…これも大企業病である。社内評論家が増え、悪口が多く出るようになるのも同じ兆候だ。
 
 どうか、社長が、「我社の大企業病兆候」リストを作ってみて欲しい。それを社内に提示して、警告を発動しておかないと、中小企業は、定期人事異動が少ないだけに、組織は硬直化しやすい。
 
 比較をすること自体、あまり意味はないかも知れないが、今の若い社員は比較的おとなしく素直な人が多い。会社を意図して、ゆさぶり、変化をおこさないと、「中小企業の大企業病」となってしまう。これは本当に恐ろしい病状である。

 

Vol.156 東北地方太平洋地震によせて前のページ

Vol.158 企業の緩み「10の兆し」次のページ

関連記事

  1. Vol.120 2008年・注目のベトナム3大都市  視察レポート 2

  2. Vol.39 外部の目線を社内に取り込む

  3. Vol.145 「我社の変化、革新をスピードアップさせる」

最新の経営コラム

  1. 楠木建が商売の原理原則を学んだ「全身商売人」ユニクロ柳井正氏

  2. 第10講 WILLとMUSTをCANに変える:配属に不満がある社員とどう関わるか

  3. 第147回『紫式部と藤原道長』(著:倉本一宏)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. キーワード

    第85回日本の埋もれた工場を表舞台に送り出す『Factelier(ファクトリエ)...
  2. 社員教育・営業

    第26講 お申し出者のお宅への訪問対応~その4~
  3. マネジメント

    後継の才を見抜く(5) 徳川二代目・秀忠の大失態
  4. マネジメント

    時代の転換期を先取りする(3) 互いの本気度を探る(キッシンジャーと周恩来)
  5. 経済・株式・資産

    第112回「まさに禍を転じて福と為す好事例」寿スピリッツ
keyboard_arrow_up