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社長業

Vol.156 東北地方太平洋地震によせて

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 巨大地震ならびに巨大津波、また、それに伴う福島原発事故の被災者の方々には、全く無力ですが「とにかく頑張って!」としか声の掛けようがありません。
 
 一日も早い、復興の第一歩が踏み出せる状況を待つばかりです。
 
 現地で今も余震や劣悪な環境と戦い、瓦礫の除去作業に従事される自衛隊の方や警察、消防の皆さん、海外からの救援隊の活動を応援することしかできません。
 
 我々にできることは、募金と献血に代表されるほど限定的です。もし自分の周りに阪神大震災の被災経験をお持ちの方がおられたら、「何が一番現地で求められるか?」を伺ってその通りにしていただきたいと思います。
 
 TVの報道で感じることと、現地で起こっていることのギャップは体験者にしか判らないはずです。幸いネットで検索すれば、少数であっても体験談は読むことができます。
 
本当に役立つ支援を、一人一人できる範囲で実行しましょう。
 
 話は変わりますが、昨日中国地方の住宅会社の社長と電話で話をしました。当然ですが住宅資材が品薄になり、他地域でも日々の事業活動に影響が出ています。営業車のガソリン不足、原材料供給の一時的なストップ、また値上がり、と状況は決して良くありません。
 
 ある電子部品商社でも安定供給のために地震直後からあらゆる手を尽くして対応策を講じておられます。
 
 こんな状況下に、この住宅会社に建材を卸しておられる問屋さんから「今回は、現金でないと資材を入れられない」と通告が入ったので、社長の心中は皆さんの想像通りです。
 
「これまで一回も支払いで迷惑を掛けたこともないし・・・・・」「いきなり、これだもんな~」と電話口でひとしきり愚痴を!
 
 市況が正常に戻った時、この問屋さんが通常通り営業できるとはとても思えませんし、まだこんな初歩的な間違いをされる経営者がおられることも信じられません。
 
 商売ですから、市況が動くことはしょうがありませんし、品薄になれば全取引先に同じように供給することもかないません。苦しい時はお互い様です。
 
 危機に際し、日頃のパイプの太さ、また信用の積み重ねを再認識することも大切な経営者の仕事です。
 
 また今回の被害30~40兆円という試算もシンクタンクから出ているように聞いています。実際の金額は判らないはずですが、正常に経済活動ができる地域の人々は、節電に協力はしても、経済の血液である「お金をグルグル回すこと」によって日本国自体の力を発揮し、その一部が被災地にまわって復興を支援することになります。
 
 我々は、喪に服することも必要ですが、火を消して耐えることではなく、社長が先頭に立ち力強く一歩踏み出すことこそ、最大の復興支援活動です。

 

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