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ビジネス見聞録

3分でつかむ!令和女子の消費とトレンド/【第14回】令和のベビー市場はなぜ堅調?①育児を支援する「ベビーテック」市場

ビジネス見聞録 経営ニュース

 まだ顕在化していないブームの兆し、新たに生まれる新常識。新しい価値観をどんどん取り入れていくことができるのが若者たち。若者たちの中でも、トレンドを握り消費を動かすパワーを秘めた女性たちの“インサイト”に注目すると、新しいヒットを創るヒントが見えてくる! 

★少子化進行の中、なぜか堅調に成長するベビー関連市場

 厚生労働省が2024年2月末に発表した2023年の人口動態統計速報で、出生数が近代統計史上最低の75.8万人となったことがニュースになったのを覚えていますか?少子化が進む現代ですが、なぜかベビー関連市場は堅調に成長しています。

 矢野経済研究所が今年2月に公表したデータによると、2022年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比0.5%増の4兆3,537億円。ここ10年は右肩上がりで少しずつ成長を続けており、2024年には4兆3,958億円と微増ですが伸長がつづくと予測されています。

注1.ベビー関連用品はメーカー出荷ベース(一部小売販売金額含む)、関連サービスは事業者売上高ベース
注2.2023年は見込値、2024年は予測値
注3.乳幼児(0~2歳)向けの育児用品や食品、衣料品・身の回り品、育児関連雑誌、絵本、玩具等のベビー関連用品、関連サービス(保育園)を対象として算出した。なお、一部、3歳以上の幼児向け用品・サービスを含む。また、一部妊婦向けの商品カテゴリーも含まれる。
2022年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比0.5%増の4兆3,537億円と推計 
出典:矢野経済研究所「ベビー関連ビジネス市場に関する調査を実施(2023年)」2024年2月7日リリース https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3445

 出生数減少という厳しい状況の中で、需要が縮小しビジネスも縮小するかと思いきや、市場がプラスに推移しているというこの意外な現象。その背景にはどのような理由があるのかを読み解いていくために、まずは今、実際にどんな商品やサービスが買われているのかを見ていきたいと思います。

★育児を支援するテクノロジー「ベビーテック」

 注目すべきは、「ベビーテック」市場です。これは「ベビー(赤ちゃん)」と「テック(技術)」を組み合わせた言葉で、親の育児負担を軽減・効率化し、赤ちゃんの成長や健康を支援するテクノロジーを指します。

 この分野は2016年にCES(Consumer Electronics Show)(※)で「BabyTech」カテゴリーが設けられて以来、認知度が高まり、成長を続けている市場です。
※CESとは…Consumer Electronics Showの略。毎年1月に米国ラスベガスで開催される世界最大級の家電製品中心の見本市で、最新のテクノロジー製品やイノベーションが展示される場として知られている。

 米国の市場調査会社 Absolute Markets Insightsによると、世界のベビーテック市場は2021年に1972億3000万ドルと評価され、2022年~2030年の期間にわたって推定CAGR(Compound Annual Growth Rate、年平均成長率)8.9%と予測されています。
出典:Absolute Markets Insights「Global Baby Tech Market 2022– 2030」2022年5月 https://www.absolutemarketsinsights.com/reports/Global-Baby-Tech-Market-2022%E2%80%93-2030-1167

 ベビーテック市場の成長の要因は、現代社会の変化と関連しています。まず、働きながら子育てをする女性が増えていることにより、育児と仕事の両立を支援するテクノロジーへの需要が高まっています。

 次に、共働き世帯の増加によって家計収入が向上し、高品質な育児支援テクノロジーに投資することが可能になっています。

 最後に、ミレニアル世代やZ世代が親になりつつあり、これらの世代は生まれながらにしてデジタルテクノロジーに親しんできた「デジタルネイティブ」であるため、テクノロジーを積極的に育児に取り入れる傾向があります。

次のページ人気の「ベビーテック」商品・サービスは?

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