街はすでにクリスマス飾りでいっぱいです。下の写真は自宅近くのモールで撮りました。毎年、子供の時からこの時期はワクワクです。
今回は最強のモノづくり「レベル4 工場間の流れ」のまとめをいたします。
レベル0:ダンゴ生産
レベル1:工程内の流れ
レベル2:工程間の流れ
レベル3:工場内の流れ
レベル4:工場間の流れ
レベル5:お客様への流れ
レベル6:一気通貫の流れ
*最強のモノづくりの流れ「レベル0」から「レベル6」は、『最強のモノづくり』(日本経営合理化協会 刊)に詳述しています。ご興味のある方は、ぜひご一読ください。
さて、流れのレベルの追求もレベル4の「工場間の流れ」となると、ひとつ前の「工場内の流れ」と比較して格段に難しくなったと思った方は多いと思います。
それは、流れも工場間となると場所がお互い離れているので、モノを出す側と受ける側の間に大きな距離ができ、工場間のモノの移動のつながりを自分の目で見られる人がいなくなります。
また、前後工場間での打ち合わせも直接にはできず、その間に管理者が入ったりして情報の共有化がしづらくなるからだと思います。
そのような環境の下で、工程管理者がカンバンを使えばつながったことになるとか、一回の運搬量を減らしてチョビチョビ運べばつながったことになると考えて実行していることがあるのですが、実際に現場に行って見ると、2工場の間に停滞した在庫がたくさん並んでいるといった現場をしばしば見かけます。
これはどうしてかというと、工場間の流れを実現するのに必要な現場の実力が伴わないために思うようにラインがつながらず、工場に迷惑をかけないためにという正当な(?)理由で、カンバンが多く発行されていたり、確かにチョビチョビは作るけれど必要以上に早く生産を始めたりといったことが起きていたりするからです。
すなわち、レベル4は初歩的なレベル1から始まった流れの改善ですが、それぞれのステップで必要な、小さい改善を積み上げてストックされていなければ、より高い流れのレベルには入れないということです。
これまでに実行した「品質改善」、「段取り替え改善」、「工程連結改善」などのすべてが積み上がって次のレベルに到達できるのです。
管理者がそのことを考えずに戦略・戦術的な判断でレベルアップを狙っても、戦闘レベルが付いてこなければ絵に描いた餅になるということです。
そのような事態の発生を防ぐ方法は、やはり現場を通しで見ることです。モノづくりは戦略・戦術・戦闘の3つの戦いの場面で成立します。
戦闘の場面を無視した経営はありません。私が指導中にそのような問題点をしばしば発見する理由は、一日の指導の中で戦闘の場面の全体を見て回るからです。すなわち、工程の流れを実際に目で確認しているからということです。
工場間というと組織が別であることが多く、お互いの交流をすることが難しいと考えがちです。しかし、これまでの常識を前提にして、これまでの壁を乗り越えられないというのでは困ります。
流れのレベル向上は止めてはいけません。必ず自分の目で見てくださいね。そうすれば、必ず流れのレベルは上げられます。
もうあと少しで12月、師走です。そしてさらにもう少しで来年です。今年のラストスパート、みんなで頑張りましょう!
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