前々回(318号)、H社で私が生徒役になって、画像と声を入れたタブレット型コンピューターを使った作業指導を受けたことを書きました。
そしてその時の教え方は、
「やってみせて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」の山本五十六方式であったとお伝えしました。
私たちは誰でも、これまでに何回も先生や先輩から仕事のやり方を教わってきています。しかし、「仕事の教え方」を教わったことのある人は、ほとんどといっていいほどいないのです。
そもそも、「教え方」ということが存在するのを、知らない人がほとんどです。確かに、上手に教えられる人はいるけれど、それは特殊な才能だ、くらいにとらえられているようです。
しかし、ここに述べたように、仕事の教え方は割合シンプルな方法として存在するのです。そして、このやり方を使えば、教育訓練において、かなりのレベルアップが図れることになります。才能ではありません。方法を知っていて使うかどうかだけの話です。
さて、皆さんは “ T.W.I.J.I ” という教育訓練の方法をご存知でしょうか?
“ Training Within Industry for supervisors, Job Instruction”(監督者の方々のための企業内教育 仕事の教え方編)というもので、 第二次世界大戦当時にアメリカで広められたものです。ここでの教え方は先の山本五十六方式と同じ流れです。
〝やってみせて、言って聞かせて、させてみて、ほめてあげることが大切デース。″というものです。すなわち、日本でもアメリカでも効果の上がる仕事の教え方は同じだということです。
お時間ある時に下記のサイトを覗いてみてはいかがでしょうか、T.W.I.J.I.を使って〝Tシャツのたたみ方″を教える動画です。
言葉が英語なのがちょっとなーではありますが、Tシャツをわずか3動作でたたんでしまうというビックリ映像ですから、この動画でマスターして、もうすぐ来る忘年会の余興に備えて練習してもいいと思います。
そしてもしご覧になると、すべての皆さんが「そうか、ここまで教えてもらえればできるようになるな」と実感されることでしょう。私がH社で若い女性リーダーのTさんにこのやり方で教えてもらった時は本当に感激しましたよ。
これからは、日本中どこでも人手不足の時代が来ます。日経ビジネス9月7日号の特集は「日本企業は地球上どこでも人手不足」でした。だからこそ、今いる人を大切に教育訓練して、少ない人数でも高い能率で多くの仕事ができる環境を作ることが急務です。
これまで仕事の教え方について、いろいろな方法をお伝えして参りました。どうぞ皆さんで考えて、会社全体のレベルアップにつながる仕事の教え方を実践してください!