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人事・労務

第14講 経営者が弁護士と良好な関係を築く方法

顧客・社員・社会から支持される「ウェルビーイング経営入門」

 みなさんに、気軽に相談できる弁護士はいるでしょうか。弁護士は企業経営にとって役立つパートナーであり、経営者にとっても頼りになる存在でありたいと思っています。しかし、実際には、経営者と弁護士との関係が単なる「相談者」と「専門家」という枠にとどまっており、良い関係を築けていないこともあります。昨今はコンプライアンス問題も増え、また、事業承継や経営統合も増加するなど、経営者が弁護士に相談を受ける機会は増えています。
 特に、ウェルビーイング経営の観点で、ステイクホルダーと共に発展し長期的な組織の成長を志すなら、経営者と弁護士との良い関係は大きな価値につながります。このコラムでは、経営者と弁護士が良い関係を築き、経営の質を高める方法について考えていきます。

経営者が弁護士にうまく伝えるポイント

 まずは、経営者側から弁護士に相談する場合に、相談が充実するようなコミュニケーションのポイントを挙げてみます。

トラブルの背景も伝える

 経営者から弁護士に相談がなされる場面は、何かのトラブルが起きていることが多いでしょう。現実のトラブルを法的に解決するために弁護士のもとを訪れるというケースです。このときのポイントは、問題点だけでなく、その背景や経営者自身の心境を共有することです。なぜなら、法的な事柄であっても、実際には、現場の状況や当事者の状態によって適切な解決策は異なるからです。

 例えば、「この行為はハラスメントになりますか?」と尋ねられた場合、弁護士が正確な判断をするには、発言者の立場や相手との関係性、普段のやりとり、そして上司の指導の有無や会社の風土や文化など、多角的な要因を考慮する必要があります。逆にこのような情報がなければ、的確な判断は難しいものです。

経営者自身の価値観や考え方も共有する

 また、経営者自身の価値観や考え方も同時に弁護士に伝えることも肝要です。
 弁護士は相談者の意向を踏まえたアドバイスをしたいと思っています。できるだけ相談者の意向を実現したいとも思っています。そのためには、意向をできるだけ伝えてもらうことが大事です。

 往々にして個人の方からの相談では(例えば、相続、離婚、労働相談など)相談者自身の意向(自分はこの点が気に入らない、絶対にこうしたい、など)がはっきりと語られることが多いものです。弁護士からすれば、それが実現できるかどうかは別として、わかりやすい相談です。

 一方、企業相談の場では、客観的事実はよく説明されるものの、相談者自身の意向や内心が明らかにされず、どうありたいのかが見えにくい時もあります。経営とは人を動かすことですから、経営者自身がどう思っているのか、どうありたいのか、その意向を自分の言葉で伝えることは、弁護士の判断にも大いに役立ち、弁護士との相談が充実する基盤になるのです。

経営者にとって良い弁護士とは?

 では、経営者側から見た良い弁護士とはどんなものでしょうか。言い換えると、経営者は、良い弁護士を見つけるために、どんな面を重視すれば良いのでしょうか。

 経営者としては、弁護士が単に法的判断を提供するだけでなく、経営の背景や経営者自身の価値観に配慮する姿勢があるかどうかを見極めることが大切です。

 実際、経営とは、法的な視点だけでなく、複雑な事情が交錯する中から将来を踏まえて適切な判断をするという、大変な営みです。それを支援するには、弁護士側にも、経営者の立場を理解し、複雑な事情を一緒に考えながら、望ましい未来を構築していこうとする姿勢が不可欠です。

 しかし、弁護士にもいろいろタイプがあり、法的で杓子定規的な回答だけで終わってしまうことも無きにしも非ずです。実際、弁護士に相談したところ、堅苦しい回答だけをもらって、ちょっとがっかりしたという経験を持つ経営者も多いかもしれません。しかし、それでは本当の経営者支援にならないことは明らかです。

 最近の弁護士は、経営者にしっかり伴走しながら、実のある支援をしていく方向に変わってきています。自分が出会った弁護士が、経営者を支援する姿勢があるか、それをしっかり見極めてください。

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