menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

健康

第14回 「氣が強い」

社長の「氣」

 「氣が強い」というと、きつい性格や乱暴な性格をイメージする方が多くいます。女性に対して「氣が強い」という表現を用いると嫌な顔をされることもあります。しかし、「氣が強い」とは、本来は良い意味で用いられます。
 「氣が強い」とは、ここ一番、大事な場面で「氣」の交流が活発であることを指します。文字通り「氣(の交流)」が強いのです。事業が順調のときは氣が交流しているのは当たり前。不調のときは氣が滞りやすいものです。たとえ逆境であっても、氣の交流を活発に保てるかどうかで真価が問われます。
 中には、生来の性質として氣が強い方がいます。それは稀であり、通常は鍛えることによって氣が強くなります。どうしたら氣が強くなるのでしょうか。
 それには自分という存在を正しく理解することが必要です。
 我々は天地自然の一部の存在であり、天地自然と交流することで生きています。しかし、日々の生活の中で、いつの間にか自己中心の心の状態に陥り、自分の力だけで生きているような錯覚が生じます。このとき、天地自然との「氣」の交流が断絶し、漠然とした不安や孤独に襲われるのです。
 天地自然と「氣」が交流しているとき、自分という存在を超えた「何か」が応援してくれている実感を持つことが出来ます。この実感こそが氣が強くなる土台なのです。
 それを通常、「氣の意志法」で訓練します。「氣の意志法」はメディテーションであり、天地自然との繋がりを実感として得られます。先にご紹介した「氣の呼吸法」は氣の意志法の一つであり、呼吸を通じてそれを実践します。
 プロアスリートを数多く指導していると、高い能力があるにも関わらず、いざという時に力を発揮出来ない選手が多いことが分かります。
 LAドジャースでも200人以上の選手と関わっていましたが、そういう選手が多くいました。一方で、いざという時に力を発揮出来る選手は何らかの「信仰」を持っています。それは特定の宗教というよりも、その選手にとって心の拠り所となる「何か」です。
 ドミニカ共和国から来ていたある選手は、とても氣が強く、チャンスやピンチにも全く動じない選手でした。氣の意志法を教えると彼はすぐに理解しました。
 その理解の早さに驚き、彼の育った環境を尋ねてみたところ、お祖母様から、常に自分という存在を超えた「何か」によって護られていると教わって来たそうです。
 同時に「瞑想」も教わっていて大事な場面に臨む前に実践していました。子供の頃からやっていたことならば、習得が早いのも納得でした。
 その「何か」とは、天地自然のことを指しています。人によっては「神」と呼びます。日本では、「宗教」や「信仰」というと怪しいものと捉える人が多く、事実、中にはそういうものもあるのでしょう。
 しかし、我々は天地自然の一部の存在である以上、天地自然を相手に生きることは当たり前のことです。自分という存在だけで生きようとするのは無理があるのです。
 戦前にあった「お天道様が見ている」「お天道様に申し訳ない」という教育も、天地自然を相手にしたものです。自立に向けた教育には「自律」と「他律」があります。
 他律には「法律を守る」「ルールを守る」等があります。現代では他律教育が多く、自律教育がほとんどされなくなりました。確かに他律も重要ですが、それだけでは「法律に触れなければ何をしても良い」「ルールになければ何をしても良い」という人間を育てることになります。
 天地自然を相手として、自分自身の中に規範を持ち、自分を律する教育も不可欠です。
 氣が弱くなるときは、天地自然との氣の交流が滞り、自分一人の存在になっているときです。漠然とした不安や孤独は、ただ心を強く持とうとするだけでは解決しません。
 氣の意志法を通じて、天地自然との繋がりを実感持つことが氣を強くする土台であり、具体的な方法なのです。
 
 
 
 

 

第13回 「継承する」前のページ

第15回 「竹斬りの行」次のページ

関連記事

  1. 第29回 「氣力を養う」

  2. 第9回 「英語の習得」

  3. 第12回 「真のプラス思考とは」

最新の経営コラム

  1. 【昭和の大経営者】ソニー創業者・井深大の肉声

  2. 「生成AIを経営にどう活かすか」池田朋弘氏

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 仕事術

    第56回  「IoT」で広がるビジネスチャンス
  2. 製造業

    第268号 改善の答えは現場にアリ!
  3. 製造業

    第322号 【急所80】監督者は作業の流れを、工場長はモノづくりの流れを、社長は...
  4. 戦略・戦術

    第19話 「ブラジル・アルゼンチン視察報告」
  5. マネジメント

    日本的組織管理(7) 四番バッターばかりでは強いチームはできない
keyboard_arrow_up