ほんのわずか5年前のFOOD & LIFE COMPANIESは、典型的な内需企業であった。しかし、その後わずか5年で、グローバル成長カンパニーへと変身を遂げている。次の図は、2021/9月上期と2026/9月上期の国内外のスシローの売上構成比の変化を見たものである。当時の海外スシローの構成比は全社売上高のわずか3.3%に過ぎなかった。しかし、直近の2026/9上期には37.0%と急拡大していることがわかる。これは国内スシローの売上高の65%水準となっている。
この間、国内の店舗数は583店舗が661店舗と13.3%の増加にとどまっているが、海外の店舗数は44店舗から279店舗と6.3倍に急増している。まさに、成熟の国内、成長の海外といったところである。
利益面ではさらに顕著である。次の図は同期間のセグメント営業利益の変化を見たものである。5年前の海外はわずかに赤字であり、同社利益の大半は国内スシローに依存していた。しかし、直近では海外スシローの全社営業利益に占める割合は55.7%となっている。もっとも、これは国内外のスシロー以外の全社費用やその他事業分がマイナスとなっているためで、今上期段階ではかろうじて国内スシローが6.4%上回っているが、もはや逆転は時間の問題である。

そもそも半年間の1店舗当たり売上高を見ると、5年前は国内の189百万円に対して、海外は179百万円と国内が上回っていた。しかし、今上期では国内の219百万円に対して、海外は337百万円と50%ほど多くなっている。
同社は一時期、国内の回転ずし市場の飽和感もあって、やや成熟企業と見られてきた。しかし、新市場として海外に本格展開することで、あっという間に高成長企業へと変貌したと言えよう。

有賀の眼
我が国企業の海外進出と言えば、まずは繊維など軽工業から始まって、やがて造船、鉄鋼などの重工業、そしてその後は電子・精密分野と続き、永いこと電子・精密分野がグローバル化の主役であった。しかし、アベノミクスによる観光立国政策によって我が国の様々なサービス業が脚光を浴びることになった。
中でも日本食はインバウンドの主役産業の一つとして高評価されたことで、現在外食各社が一斉に海外進出に走っている。同社の例でもわかるように海外に認知された日本食による海外進出は、業績への貢献度から見ても極めて確実で、しかもかなりのスピードを伴うものである。
この背景としては、インバウンドを通じて日本食のおいしさ、健康志向、そしてそのサービスクォリティの高さから、出店するだけで評判を呼ぶ状況である。ちなみに同社が中国に出店すると、開店当初は待ち時間が10時間と言われるほどのこともある。さらに利益面で言えば、すでに国内において試行錯誤を十分に行って、生き残こった企業が進出するケースが多いため、現地での経営が軌道の乗るのも速い模様である。
同社のみならず、多くの外食産業が競って海外進出に邁進している中で、同社同様に企業として成長企業に変身する企業も次々と現れて来るのではなかろうか。



























