世界情勢は、政治経済も社会も分野を問わず不透明感を増しています。ギリシャやイタリアをはじめとする欧州諸国の政府債務問題、中国やインドなど新興国での不動産バブルとインフレ懸念など、今後もその動向に注視する必要があります。
このように不透明な環境であっても、私たちは将来に備えて個人と会社の資産運用を続けなければなりません。本稿で何度か触れているように『安全資産』と呼ばれる円建ての預貯金と日本国債だけでは、守りたくても守りきれない程、資産運用を取巻く環境は複雑です。将来の運用結果の不確実性を表す『リスク』と覚悟を決めて向合う『分散投資』の具体的な方法に『コア・サテライト戦略』があります。
これは運用資産を、中核的な部分(コア)である「守りの資産」と小惑星(サテライト)である「攻めの資産」とに明確に区分して効率的な運用を行う方法です。大部分の資金は守りを中心としながらも、積極的に攻める資金を一部持つことで、過大なリスクを回避しながら運用収益の上積みを狙います。
イメージとして、コア部分が運用資金全体の90~70%、サテライト部分が10~30%程度になるように時間を掛けてポートフォリオ(資産の組合せ)を完成してゆきます。あせって一時に運用開始することは、分散投資で極めて重要な「時間分散」が出来なくなり、返ってリスクを高めます。最初はコア部分だけで、自分の知識で理解できた金融商品から徐々にサテライト部分を完成するようにしましょう。
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