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第22回(インディーズブームに着目する)「ノーモアティアーズ」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆No More Tears◆


「インディーズ」ブームに着目する

 


 

店は、下北沢の繁華街から少し離れたアパートの2階。パッと見て入りにくい雰囲気が、リピーターの優越感を引き立たせる

 

店内はわずか5坪。あえて暗い穴蔵のような印象を作りだしている

     
 

すべてのブランドの説明をPOPで記している。このブランド背景もまた、マニアの心をつかむ要因の一つ

 

同店の経営母体・(有)オリジナルTシャツでは、自らもブランドを展開。写真は人気ブランド「Anything」。"無駄飯""姉御肌"がキャッチー

 

 

「インディーズTシャツ」なるものが、ファッション好きな若者の間で、秘かなブームを巻き起こしている。
インディーズTシャツとは、無名のデザイナーが制作し、ネットなどで販売している少量生産のTシャツのこと。
「有名ブランドにはない斬新なデザインがある」「珍しいので、自分の個性が演出できる」などが、 人気の理由だ。



このブームの背景には、インディーズTシャツのデザイナーが急増したことがある。
パソコンやネットを用いて、デザインや販売がたやすくできる上、
中国に 仕事を奪われた国内の制作工場が小ロットの注文に対応し始めたため、小資金で始めやすくなったのだ。
副業や趣味レベルで制作を始める人も多く、開業者は年 々増えている。



そんな時流に乗って人気を集めているのが、東京・下北沢の『NoMoreTears』。
昨年8月にオープンしたインディーズTシャツ専門店である。
わずか5坪の店ながら、初年度の売上は3000万円を超えた。



店内に並んだTシャツの種類は、約40ブランド・200種。
ブランドといっても、デザイナーが副業で立ち上げた小さなブランドばかりで、
同じ柄のTシャ ツが20枚程度しかないことも多い。
その希少さが、購買意欲をかきたてるわけだ。
人気ブランドの商品が入荷する日には、開店前から並ぶ客もいるという。
現在では、客の半分はリピーターであるそうだ。



開店を思い立ったのは2年前。
発案者のみやじまのり氏は、自身も、インディーズTシャツのデザイナーをしていて、
販路を開拓できずに埋もれているデザイナーが多いことを熟知していた。
そこで、『NoMoreTears』のようなアンテナショップをつくることを考え出したわけだ。
委託販売にすれば、在庫リスクを負うこともない。
これまでにないインディーズTシャツ専門店なら注目を集められる、という自信もあった。



実際、その賭けは的中したわけだ。
順調にリピーターを獲得できたのは、前述した通り。
商品を売り込むデザイナーも殺到しているそうだ。



「参入障壁が低くなり、無名ブランドが急増した」
「有名ブランドにこだわらず、アマチュアやプロの卵の商品を支持する人が増えた」。
こんな状況が生まれ ているのは、Tシャツだけではない。
音楽業界では、インディーズレーベルに所属する歌手がミリオンセラーを飛ばしたし、
アクセサリーでも、知る人ぞ知る零細ブランドが人気を得ている。
他の業界でも、同様の現象が起こる可能性は十分にあるはずだ。



その予兆を察知し、アンテナショップをつくれば、大きなチャンスを掴めるかもしれない。

(カデナクリエイト/杉山直隆)


◆社長の繁盛トレンドデータ◆

「No More Tears」

住所:東京都世田谷区北沢3-21-1-203

TEL:03-3469-7317

最寄り駅:京王線・小田急線「下北沢」駅徒歩5分

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