◆ デルレイ◆ 高級感をもとめるニーズに対応する |
宝飾品のように、ショーケースに並ぶチョコレート。 |
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ここ数年、高級チョコレートがブームになっている。 ベルギーやフランスなどの高級店が、銀座や日本橋、六本木などに次々と進出。 1粒400~500円もするチョコが、若い女性だけでなく、男性ビジネスマンにも売れている。 従来のギフト需要はもちろん、「自分へのごほうび」として買い求める客も多いそうだ。 自分の好きなものには出費を惜しまない消費性向の現れだろう。 昨年10月、銀座にオープンした「デルレイ」は、そうした客から支持を集めている店の一つである。 同店は、ベルギー・アントワープに本店を構えるチョコレート専門店。 銀座店は初めての海外店だ。 チョコレート好きのオーナーが、アントワープに住んでいた頃、 この店のショコラに惚れ込み、日本での出店を働きかけたという。 デルレイの魅力は、アントワープのショコラが楽しめることだ。 アントワープのそれは、甘みを抑えた上品な味わいが特徴。 これまでに日本に進出したベルギー のチョコレート店は、 ブリュッセルを本拠地とする店ばかりで、アントワープのショコラを売りにする店はなかった。 50種を超える商品は、すべてアントワープから空輸し、特殊な冷蔵庫を用いて保管している。 人気が高いフレッシュクリームを用いたショコラも10種類以上揃えている。 もう一つ特徴的なのが、店の雰囲気である。 銀座の小さな通りに佇む上品な外観は、さながら高級ジュエリー店のよう。 プラチナカラーの落ち着いた店内には、ジュエリー店と見間違うショーケースが置かれている。 チョコレートも、1種類1個ずつ、宝石を置くような台にディスプレイされている。 食べ物というより、高価なジュエリーを販売しているかのようだ。 「アントワープのショコラはデザインも秀逸。その美しさをより引き立たせたい」。 そんな思いから、このような演出を考え出したという。 アントワープがダイヤモンド取引の本場ということも、ヒントになったそうだ。 こうした演出が、チョコの魅力を際だたせたのは、間違いないだろう。 宝石店のような雰囲気のなかで、最高級のチョコをじっくり選ぶ…。 このようなイベントが楽しめるわけだ。 実際、1~2個買うために何度も来店するリピーターは多い。 すぐにチョコレートを買わず、時間をかけて見定めていくという。 このように高級感を演出しているチョコレート店は、デルレイだけではない。 ある店では、ドアマンまで置いているそうだ。 高級感の演出は、今や、宝石店、レストラン、ファッションブランド店に限らず、 さまざまな分野に広がっている。最近では、チョコレートの販売店まで広がったわけだ。 消費の二極化が進む今、高級感の演出に力を入れる動きは、どの業界に現れても不思議ではない。 ◆社長の繁盛トレンドデータ◆ 『デルレイ』 東京都中央区銀座5-9-19 銀座MCビル1F TEL:03-3571-5200 最寄り駅:地下鉄銀座駅から徒歩1分 http://www.delrey.co.jp/ |