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戦略・戦術

第260号 1億人

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、世界16カ国で展開される「Amazonプライム」の会員数である。今年4月、米アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾスCEOが毎年恒例の株主向け書簡の中で公表したもので、2005年にスタートしたこの有料サービスの顧客数を公にしたのは初めてだ。

 アマゾンのネット通販における総顧客数は世界で3億人超とされており、およそ3分の1がこのプライム会員ということになる。ちなみに、日本市場におけるプライム会員数は公表されていないが、600万人程度と推測されている。

 この特典内容は、国や地域によって異なるが、日本では、当日配送サービス やプライムビデオ(映画・ドラマ)、プライムミュージック、プライムリーディング(登録された電子書籍)などが追加料金なしで利用できる。日本のAmazonプライムの料金は年間3,900円(税込)で、月額プランだと400円(税込)である。一方、本家の米国は99ドル(1万600円)と日本の2.75倍で、今のところ日本では破格の料金設定となっている。

 このようにアマゾンは世界を席巻しているが、創業者であるジェフ・ベゾス氏が発する言葉も、世界の耳目を集めている。たとえば、「顧客に関して私が非常に気に入っていることが一つある。それは彼らが神のように不満を抱いていることだ。その期待は決して止まらず、高止まり続ける。それは、人間の性だ」。そして「昨日の脅威は、すぐに今日の普通(スタンダード)になってしまう」。つねに顧客ニーズから逆算してサービスを創造するジェフ・ベゾス氏らしい言葉の数々である。

 米国では、アマゾンがあらゆる企業・産業を飲み込み、淘汰してしまう“アマゾン・エフェクト“という現象が起きているが、日本でもその兆候が見えている。物流拠点の整備・拡充を進める中、アマゾンジャパンの売上は1兆2,000億円を突破し、昨年、食品スーパーやコンビニなどへの脅威となる「アマゾンフレッシュ」もスタートさせるなど、着々とその事業領域を拡げているからだ。

 同業社の動向などには気を取られず、つねに人間の限りない欲望にフォーカスして、 “スタンダード”を打破してきたジェフ・ベゾス氏。日本の小売業界も、このような彼の姿勢を見習う必要があるだろう。

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