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第33回(普段使いを意識させる)「Freiheit フライハイト」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆ Freiheit フライハイト◆


「普段使い」を意識する

 
 


 

センス溢れるオリジナル商品も手がける。共同経営者で、元デザイナーである田中さんの本領発揮。工場などはメーカー時代のツテが活かせた。

オリジナルノート735円

 

店舗は、ラフォーレ原宿の向かい側を少し入ったところにある。一等地だが、2階で奥まった場所であるため、「賃料は意外とリーズナブル」だったとか

 

店内に溢れる文具たち。あえて商品ごとにカテゴライズせず

「探す愉しみ」を提供している。什器に学校のイスや机を使うなどの工夫も

 
リーズナブル(安い)&ユーティリティ(実用性)――。

そんなコンセプトを持つ、原宿の小さなセレクト文具店『フライハイト』が人気だ。

神宮前交差点に程近い路地裏に立つマンションの一室。
わずか7坪の店内には、国内外からセレクトした商品が、所狭しと並ぶ。

流線型が美しいイタリア製の大きな電卓、チョコレートやピーナッツを模したポップな消しゴム、
ほのぼのとユニークな表情をした動物キャラクターのボールペン など、センス溢れた文具ばかり。
しかも、コンセプトどおりに"普段使い"に適した"値段控えめ"なのが特徴だ。
どこか猥雑な陳列とあわせて、宝探し的な楽 しさもある。

この店を立ち上げたのは、文具メーカーの営業マーケティングを担当していた中沢健さんと、
同じく文具メーカーのデザイナーだった田中美穂さんの2人。
お互いに業界を知り尽くしたうえで、無類の文具好きだったことが、店作りのヒントになった。


「洒落たインテリアショップや雑貨店にはカッコイイ文具が置かれていますが、
普段使いには値段が高い商品ばかりだったり、選べるほどの種類もない。
一方で大き な専門文具店は、商品数が多いけども、『こだわってセレクトした』という匂いが感じられない。
だからその中間の店をつくろうと考えたのです」(中沢さん)



狙いは的中。場所柄、若い女性やカップル客が多いが、中年男性の常連客も少なくないという。
ありそうで無かった「気負わずカッコイイ(かわいい)文具が買 える店」として、
新しい文具店のスタイルは、予想以上に多くの支持を集めたわけだ。
大手文具店や文具卸会社が、「仕入れの参考にしたい」と訪れることもあるという。



ところで、今は"町の文具店"の多くが、瀕死の状態だ。

大手メーカーの直販やコンビニエンスストア、100円ショップなどの隆盛によって
法人需要を中心に顧客は奪われ、すっかり元気を失くしてしまった。

その一方で、輸入もののペンや手帳、スタイリッシュな万年筆やインテリア雑貨などの人気は高く、
専門雑誌や書籍も出るなどちょっとした「文具ブーム」といわれる状況が生まれている。
「おしゃれな文具を使いたい」という個人需要は、むしろ高まっているわけだ。


そういう意味でも『フライハイト』の成功は興味深い。

「衰退している」と思われがちな業態でも、状況の変化に対応した上で、ニーズにあった商品を仕入れ、
それを丁寧にしっかりと発信できれば、必ず顧客の心をつかめる。

どんな小さな店でも、生き残りのチャンスはありそうだ。
(カデナクリエイト/箱田高樹)

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『Freiheit(フライハイト)』

東京都渋谷区神宮前 4-31-16原宿80ビル2F

TEL&FAX:03-3401-2050

http://www.freiheit-net.com/

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