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マネジメント

第76回 『時間のアナ』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

 「ああ、せめてあと一日あれば」とか、「あと一ヶ月欲しい」などど慨嘆したことはないだろうか。
 実は、私はかなり以前から、「一年間を13ヶ月に増やす」ことに成功している。プラス1ヶ月は、私が生み出した時間である。

 私はかねがね、時間は「あるもの」ではなく、「つくるもの」だと考えている。時間を作る秘訣は、「時間のアナ」をうまく活かすことだ。
 時間のアナとは、予定と予定の間にある、ちょっとした時間のことだ。
10分とか20分ほどで、まとまったことができるわけではない。だが、その間に、メールを打ったり、短い手紙を書くことはできる。部下とのコミュニケーションに充ててもいい。

 パナソニック会長の中村邦夫さんは、車での移動時間を、携帯でのメール送信に充てていたという。相手はほとんど部下だ。ちょっとした指示や確認が、移動時間で済むようになったそうだ。
 ちなみに中村氏は、独自の工夫でメール分を打つスピードもアップさせている。句読点をはぶき、一字にあけにするのだそうだ。ためしにやってみると、なるほど、これでメールの入力はかなりスピードアップできる。

 こうして、一日60分の「時間のアナ」を活用したとすると、一年では、365時間になる。

 人は一日のうち、7時間は眠っている。起きている時間は17時間だ。この365時間を17で割ると。21.5になる。土日を除いた一か月分に相当することがわかる。
  つまり、一日60分、ムダな時間を活きた時間に変えると、一年を13ヶ月にすることができるのである。
「ムダをしない」だけではなく、「時間を作る」発想である。
 

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