◆ WASH&FOLD◆ 「時間の節約」を意識する |
|
掃除、洗濯、庭の手入れ…。家事代行サービスを手がける企業が、ここ数年で急増している。 高齢者や多忙な人が増えたことが、背景にあるようだ。 生き残りをかけて、各企業は熾烈な争いを繰り広げている。 とくに洗濯サービスは、クリーニング店も加わり、飽和状態に見える。 しかし、そんな中にも、チャンスは残されているものだ。 東京・代々木のコインランドリー「WASH&FOLD」は、 2005年4月にオープンして以来、顧客を急激に増やしている。 人気の秘密は、コインランドリーでは珍しい「洗濯代行サービス」を手がけていることだ。 コインランドリー用洗濯機を使った洗濯から、乾燥、手たたみまで、一連の作業を代行している。 店に行く暇がない人のために、集荷・宅配もしている。 日中、家を空けている人でも、気軽に利用できるよう、宅配は深夜0時までおこなう。 依頼する時は、専用のランドリーバッグに洗濯物を詰め込む。 バッグの容量は約6~8kg。1~2人暮らしなら1週間分の洗濯物が入る。 料金は、ランドリーバッグ単位で、1個につき2400円(※持ち込みの場合、1800円)。 自分でコインランドリーを使うよりは数倍の値段になるが、 ハウスキーパーやクリーニング店に頼むのに比べると、お得感がある。 日本では珍しいこの業態だが、実は、アメリカには昔から存在していた。 経営者の山崎美香さんがこの業態を知ったのも、アメリカ出張の時、自身が利用したことがきっかけだ。 以前から山崎さんは洋服店とカフェを営んでおり、多忙な生活を送っていた。 洗濯をするのは休日のみ。 時間がもったいない、と常々感じており、「私のような 人に支持されるはず」と開業を決意したそうだ。 駅から離れた場所に店舗を置くことで、開業費用を1000万円弱に抑えた。 日本では馴染みのない業態だったが、心配は要らなかった。 当初こそ、チラシを配る程度しか宣伝しなかったこともあり、ほとんど注文がなかったが、 口コミで広がり、半年後からは注文数が右肩上がりに増えた。 現在では、月1000件の依頼があるそうだ。 現在、同店では、サービス範囲を高級住宅街の港区と近隣地域だけに絞っている。 そのため、客層は、高所得の家族世帯が中心と思いきや、実際は1~2人暮らしの若者が多いという。 考えてみれば、時間が足りないのは、富裕層に限らず、1~2人暮らしの若者も同じだ。 1週間2400円程度のお金で、少しでも時間が節約できるなら、喜んで払うのだろう。 「お客様の時間を節約する」サービスの需要は、今後、ますます高まりそうだ。 「WASH&FOLD」のように、まだ埋もれている業態もあるかもしれない。 (カデナクリエイト/杉山 直隆) ◆社長の繁盛トレンドデータ ◆ 『WASH&FOLD』 東京都渋谷区代々木3-12-11 TEL 03-3373-1705 最寄駅 小田急線参宮橋駅より徒歩5分 http://www.wash-fold.com/ |