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不動産

第80回 「オール電化」より調理はガスが良い。

売れる住宅を創る 100の視点

今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第14項目である『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。  』に関してのお話を致します。
 
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第13項目『 キッチン流し台形状の良し悪し。( I型、L字型、コの字型) 』の御説明を致しました。
 
今回も分譲マンションのハード面の良し悪しに依って特に売主の会社の「 モノづくり 」に対する姿勢が問われています。
 
そこで、今回は分譲マンションや建売戸建の居住者にとってとても大切な「 オール電化 」に関するお話で『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。  』を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」におけるソフト面やハード面に於ける大切な「 こだわり 」の御説明であります。
 
今回も、分譲マンションや建売戸建の住戸への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて売主が入居者( 購入者 )サイドに配慮された商品を製造・販売しているか否かが、購入者にとって大変大きな判断基準になります。
 
そして、分譲マンションや建売戸建住宅の購入決定者はほとんどが奥様なので、私の今迄の分譲マンションや建売戸建住戸の設計等の経験を通して御説明を致します。
 
いつも、このコラムで、申し上げていますが、この処の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの大きな傾向は、良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って分譲マンションや建売戸建等を企画・販売していますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり顕著になっております。
 
現在、販売力の強さと数字のみに頼って製造販売しているディベロッパーに於いては、かなりの苦戦を強いられ、その結果売れずに竣工後1年以上の在庫住戸が多く苦しんでいるのが現状です。
 
更に、不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」的傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが超大手ディベロッパーに吸収合併されております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これら将来にわたりそれらの超大手や大手の会社に対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の「 モノづくり 」にはトコトン「 こだわり 」や「 誠意 」を必ず持って魅力有る商品を作らなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまうと思います。
 
また、その様な分譲マンションを供給しなければ生き残れないでしょう。その様な社風にすれば顧客が売主の「 こだわり 」や「 誠意 」を敏感に感じとり購入意欲が湧きます。
 
そして入居後も顧客が満足のいく、クレームの起きない良い商品を作る事で知名度も上がります。
 
例え万が一、クレームが起きましても迅速に誠実に対応すれば「 雨降って地固まる 」で誠意や信用度が回復できます。
 
誠意が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依って潜在顧客の信頼を勝ち取れますし価格競争の土俵から抜け出せるのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いて良い評判を立てる事ができ、生き残れる道です。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に楔( くさび )が打てます。
 
準大手ディベや中堅ディベが、 超大手、大手ディベに対峙し対等に勝負できる良い会社になると私は確信しています。
 
そして、今回御説明致します『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。  』を御覧戴いて、新規分譲マンションや建売戸建等の商品企画時点に於いて商品に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になります。
 
この様な商品を作り続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは不動産業界だけでなく、一般の社会に於いて会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム80号『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。  』を参考にされて「 モノづくり 」を継続する事が、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の事業主は、いつも申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
その様になる為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第14項目であります『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。 』の内容は分譲マンショの商品企画・基本計画段階で取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への配慮に関しての判断基準となると信じております。
 
特に今回の内容はソフト面及びハード面ですが、潜在顧客の売主評価に多いにつながる事ですのでとても大切な事柄なのです。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました、新規建売戸建や新規分譲マンション等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々はこれから進める、分譲マンションや建売戸建等の商品企画・基本計画時点に於いて、今回のコラム80号の内容を良く理解し、新規分譲マンションや建売戸建等に取り入れて下さい。
 
特に、今回のコラム内容は分譲マンションの購入者( 入居者 )の奥様( 女性 )が購入の決定を左右するお話しです。
 
ほとんどの分譲マンションや建売戸建等の売れ行きは、ディベロッパーや設計者が企画した内容が主婦層に支持されるか否かで決まります。
 
そして、これも常に申し上げていますが、建売戸建や分譲マンションの計画時点で実行して戴きたい事が有ります。私が今までの設計業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製販一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
建売戸建や分譲マンション等の商品企画会議では製造部門と販売部門が一体になって戴きたい事です。その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければどんどん商品企画や商品内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。  』の良さが具体的に販売部隊の方々も良く理解できますので、顧客に対して自信を持って分譲物件の良さを説明できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。さて、今回は分譲物件に於いて主婦層等への配慮に関する『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。  』をこれから具体的に御説明致します。
 
最近にわかに「 オール電化 」のマンションが増えてきました。
 
ですので、私なりにまずは問題点を挙げておきます。
 
まず、調理用の「 IHクッキングヒーター 」ですが電磁波で熱を発生させますので平底で鉄製かステンレス製の鍋しか使用できません。
 
軽いアルミ製の鍋が使用できませんので高齢の方が調理するには重労働です。
 
また、中華料理が好きな方向けの丸底の中華鍋が使えません。ガスコンロと比較して野菜炒め等の料理を作ってみますと食感がイマイチです。特にピーマンを炒めるとわかりますが「 IHクッキングヒーター 」の方は美味しくありません。
 
また、電磁波を発生いたしますので人体や妊婦に影響が有るのではないかと一部の学者が言っておりますが実証はされていません。言及はできませんが少々不安です。
 
但し心臓のペースメーカーには「 IHクッキングヒーター 」が発生致します電磁波が影響を与えるとの実証がなされましたので装着されている方は要注意です。
 
「 オール電化 」の次の問題点は給湯システムです。「 オール電化 」の給湯システムは深夜電力( 昼間の電気代より安い電気 )を使い「 自然冷媒ヒートポンプ給湯機 」( 俗称:エコキュート )でお湯を作り「 貯湯タンク 」に貯めます。
 
更に、この「 自然冷媒ヒートポンプ給湯機 」と「 貯湯タンク 」はかなりの面積が必要で、実際使用可能な専有面積が狭くなってしまいます。
 
この「 貯湯タンク 」は我国では「 危険物 」扱いになっていますので「 貯湯タンク 」から出るお湯の圧力が2Kg/平方センチ未満に抑えられています。
 
ほとんどの「 貯湯タンク 」はお湯の出口の圧力を1.8Kg/平方センチ未満にしております。
 
具体的にどの様な現象になるかと言いますと給湯の圧力が1.8Kg/平方センチ未満ですと、シャワーの勢いが「 ガス瞬間湯沸し器(ガス24号給湯器) 」より「 かったるい 」のです。
 
毎日使うシャワーのお湯の勢いが弱いとちょっとムカつきます。
 
私も過去に貯湯タンク式の給湯器を使った経験があるのでこの感覚は良く判ります。当時設備設計者に理由を聞いたら上記の返事でした。
 
ガスは危険だと良く言う方がいらっしゃいますが、現在ガスのシステムでは三重の安全対策をしていますので問題はありません。極端に言えば「 ガス自殺 」はできない様になっています。
 
やはり住宅やマンションは電気とガスが両方供給されている方が快適です。
 
この様な配慮が同業他社との競合に於いて、勝ち抜ける顧客への配慮なのです。
 
今回のコラムでは『 「 オール電化 」より調理はガスが良い。   』の御説明を致しましたが、この事は分譲マンションや建売戸建等を企画する上でとても重要で大切な事ですので、是非共参考にして戴きたいと存じます。
 
超大手や大手ディベロッパーだけが一流とは限らないと常に私は言っております。
 
私の独断で申し上げれば、建築的価値観では一流と評価できますディベロッパーは数社しか有りません。ほとんどが三流なのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への配慮が行き届いた分譲マンションや建売戸建等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは売主の信用と顧客に対する配慮です。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には顧客への気遣いや配慮及び将来クレームが生じないマンションを作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促していますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回はフェーズ8の「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第15項目である『 キッチンにパントリー( 食品庫 )は今後不可欠。 』に関してのお話を致します。
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
 
以上。

 
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