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人事・労務

第24話 給料の中身とノーワークノーペイの原則

「賃金の誤解」

4月に新規学卒社員を迎え入れた企業も多いことでしょう。今回は、そんなフレッシュマンが都合よく誤解していることの多い問題を取り上げてみましょう。
 
 労働基準法32条で使用者は労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない。使用者は1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならないと定めています。
 
 この1日の正規の就業時間(これを所定内勤務と言います)が法定どおり8時間だとした場合、多くの企業の始業、終業および休憩の時刻は、次のとおりです。
 
    始業 午前8時30分
    終業 午後5時30分
    休憩 正午より1時まで
 
 フレッシュマンはその午前8時30分までに出社し、タイムカードに打刻すれば良いと思っているかも知れません。また終業についても単純に午後5時30分になれば帰れると考えているでしょう。
 
 しかし、着替えや準備で5分を要し、8時35分に所定の場所に着いたとすれば、5分の遅刻です。もしも5時25分に職場を離れ、着替えを終え30分にタイムカードに打刻したとすれば、5分の早退となることを理解させましょう。
 
 つまり、上記のように一日計10分ほど実労働時間が短いとすれば、週にして50分、月ではなんと210分も働いていないことになります。給料の中身は ノーワーク・ノーペイが原則ですから、着替えは始業のまえ、終業の後にすべきであり、その分だけ給料が減額されて当然であることを正しく理解させることが けじめとして必要です。
 
 またある会社では、同僚のタイムカードを代わりに打刻することが日常的に行われていました。このような行為は重大な懲戒事由となりますから即刻止めさせ なければいけません。例え先輩に頼まれたとしても依頼に応じてはならないことを、入社時(まだ遅くはありません)に正しく理解させましょう。
 
 そんな細かいこと言わなくてもいいのではとお考えかもしれません。しかし、御社の社員として恥ずかしくない躾(しつけ)は入社の時にきちんと身につけさ せなければなりません。なぜなら社会人になってはじめて覚えた仕事のやり方はその後の社員の仕事品質を左右しかねないからです。

 

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