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戦略・戦術

第170号 「モノ」から「コト」消費時代へ

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 先日、東京のデパートのギフトコーナーを見てみると、旅行やホテル宿泊、レストランの食事といった「体験型」のカタログギフトが目立っていた。
 
 個室スパ&エステチケットに高級フレンチの食事券、ターザン(雑誌)監修のスポーツ体験、現代アートが届くチケット等々、格段に選択肢が広がっている。
 
 この体験型ギフトは、「商品をもらうよりも印象に残る」ことから、両親や親しい相手に贈るプライベートギフト需要と連動しており、贈り手は様々なタイプのギフトを求める傾向がある。
 
 日本経済新聞社の調査でも、8 割以上の人が「体験型のギフトを贈られるとうれしい」と答えており、「モノ」から「コト」消費への流れが、ギフト分野にも鮮明に表れている。
 
 日本市場では、数年前からコト消費型へシフトしていたが、一般的に認知されて普及期を迎え、ここにきて、その動きが各業界で本格化していることが窺える。
 
 たとえばコンビニ業界では、ローソンがチケット販売額約1,000 億円と、先行してコト消費の売上を拡大。さらにコンサートと連動させた限定商品を店頭販売するなど、「コト」と「モノ」を関連付けた販促策にも成功している。
 
 また、流通業の雄イオンも、子供の遊び場や料理教室などサービス業のテナントを増やして、モノの購入よりも施設で過ごすことに楽しみを見いだすコト消費の需要を獲得する戦略を打ち出している。
 
 このように各業界が、コト消費に的を絞ってその強化を急ぐのは、従来の物販中心のビジネスモデルでは、ほとんど成長が見込めないからだ。時代の流れが、「モノ」から「コト」へとシフトする中、我々通販会社も、知恵を絞り、コト消費時代にフィットした、新しいサービスを創造していくべきである。

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